固有専門能力と共通専門能力の違い~説得力がなぜ最重要か

※2020年3月30日にリライトしました。

プロフェッショナルが持つ専門能力

 ここでいう専門能力とは、各部門および特定領域に関わるプロフェッショナルとしての専門職幹部としての能力をさします。

 プロフェッショナルとは、自分の専門とする領域について、素人とは段違いの見ればすぐわかるほどの明確な能力の差を持っていることをさします。

 プロ野球選手、プロゴルファーといった独立した職業人に限らず、企業で所属するプロフェッショナルであっても、企業の業績を上げ利益を上げることができれば、彼ら職業人と同様にその専門能力の高さによってお金が稼げるプロフェッショナルといえる。

 セールス・営業のプロであれば、自分の力で直接大きく売上を上げることが出来る人をさします。

 マーケティングのプロであれば、顧客視点で考え抜いたプランで組織を動かし、世間に影響を与えて、売上を伸ばす人をさします。元P&GのVPで現在吉野家常務の伊東正明氏のような目覚ましい成果を上げることが出来ると、営業のプロが束になってもかなわないような成果を上げることができる仕事です。

https://toyokeizai.net/articles/-/332729

 Google AnalyticsでみるようなPV,CTR,CVR等を上げることも業務として必要なことですが、それで会社の業績が上がっていないとしたら、この概念に該当する存在にはなれていません。
 ただし、部門として評価者が個人の目標数値としたのであれば、その評価軸を無視して「売上上がってへんやんけ~」というのはダメ上司です。

 医師・薬剤師・看護師といった医療提供者であれば、深い専門知識に基づいた医療行為と患者視点の的確な接遇の両輪が支持されることで、信頼していただくことがリピートに繋がる。繰り返し利用する患者が増えることで収益が安定し、より良い環境の医療を提供する投資が可能となります。

 

専門能力の区分

 専門能力は大きく固有専門能力と共通専門能力に分けられます。

固有専門能力

 経理部門における簿記やIT部門の開発能力のように、専門担当領域毎に異なる固有の専門能力です。

 

共通専門能力

 担当領域に関わらずどの分野の専門職にも共通して どの分野の専門職にも必要となる能力のことです。

 共通専門能力のなかには、表現力、企画力、改善力、管理力、説得力といったさまざまなスキルがあります。共通専門能力は、各スキルを活かし業績に繋がる成果を生み出す力のことであり、この共通専門能力が低いと担当領域の固有専門能力がどんなに高くても、成果を挙げることはできません。

 いわゆる「専門家」には、固有専門能力が高くても、共通専門能力が低いことで成果を上げることが出来ない人が多いものです。

 5つ共通専門能力のスキルを並べましたが、この中で最も重要なのは、説得力です。

人を説得して納得させる能力がなかったら、組織を導いて業績に繋がる成果をあげることはできません

 次に重要のは、説得力を上乗せするための表現力であり、企画力、改善力、管理力が高いだけでは大きな成果を上げることは難しいのです。

 ここで個人的な話をすると、十数年前に出戻った時に一部上場企業とはいえ年商600億円弱だったセイジョーがM&Aを重ねてココカラファインとなり現在4,000億企業になる過程において、販社統合のありとあらゆる業務を課長として担当してきた当時の私には、企画力、改善力、管理力は他の課長はもちろん部長以上にも負けない自信がありました。

 これら( 企画力、改善力、管理力 )の能力と付随する実績が多少なりともあったので、EC事業会社設立時に、事業計画書が採用されて子会社社長となったわけです。

 ところが、この代表取締役社長は自身で株式会社を作って起業したときの社長とは違い、グループ内での調整が非常に大きな比重を占める仕事でした。
 事業管理室 課長時代は、直属の上司である常務にお任せしてきた各部門を説得して調整することに、当初はかなり苦労した記憶があります。
「わし、聞いてへんでぇ!!」の嵐です。

 しかしながら、やりぬくことで一定の成果を上げることが出来ました。成果を上げたところで社外でも評価されていた企画力・改善力を買われて、カンファレンスへの登壇の機会が増えました。
 コンテキストの異なる社外の不特定多数の数百人の前で話す訓練を繰り返すことで、表現力が年々高まってきたという順番でした。

 本来は、説得力>表現力>企画力・改善力・管理力の順番に鍛えるべきだと今は思います。

 いずれにせよ、自身の苦手な共通専門能力があるとしたら、そこを意識的に経験しようと行動することが、成長速度を速めるでしょう。
 そして、その基礎になるのは、書く能力と話す能力です。これでしたら役職が何もなくても磨くことができます。
 重要なのは、訓練の積み重ねです。


薬剤師における両専門能力の関連と活かし方

 共通専門能力が低ければ固有専門能力がいかに高くても宝の持ち腐れになります。

 能力アップのためには、人頼りにせず自分が苦手なものほど意識的に機会を求めて書いたり話したりし、経験度数を増やすことが必要です。
 典型的な専門職(と思いこんでいる人が多い。実際には選択肢は限りなく広がっている)薬剤師を例に書きます。

「苦手な科、患者さんの投薬を避けたり、錠剤のピッキングや液剤調整など自分の好きな(楽な)作業ばかりして、レセプト関連や入力チェックは事務さんまかせ…な薬剤師」

「何でもやって、人が避けることを担って、さらにはOTCと受診、薬不要のトリアージまでもできる薬剤師」

この両者では共通専門能力の成長が段違いですし、最終的に患者さんにどちらが信頼されるかも明白ですよね。

 もちろん、薬局という場におけるチームの人員構成とスキルバランスで作業バランスは違っていて当然ですが、言い訳にせず共通専門能力の伸びることが1日のなかでどれだけできたか意識すると、将来違う自分になるかもしれません。

 共通専門能力は、表現力、説得力を最終工程とし、いかに高い企画力、改善力、管理力をもってしても、最終的に説得力がなければ能力を発揮して業績に直結することはできないということを認識して、日々トレーニングすると、数年後には違う専門能力を身に着けているはずです。

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