仕事・働き方に迷ったら

SNSを見ていると、「仕事の選び方はこうするべき」というものをよく見かけるので、自分なりの考えを書いておきます。
こういったことは人それぞれだと思いますが待遇や企業イメージだけで決めると失敗することが多いです。誰かにとって良い仕事は自分に向いている仕事とは限りません。
ありがちなのは「年収・肩書を重視して転職したが成果を残せず失敗した…」や「〇〇が得意なのだが、△×のせいで上手くいかなかった…」というものです。

最適な仕事は「熱中できて、得意であって、意義があること」

最も適した仕事とは何でしょう。
熱中できる仕事」は間違いなく一要素になります。興味のないことに人生の1/3近い時間を費やすよりも、一生懸命になれる仕事に就ければそれだけで充実感を感じることができるものです。
ところが、どんなに熱中できる仕事であっても、能力が向かず成果を出せないとしたらどうでしょうか?
頑張っても頑張っても成果が出ない…熱意のない隣の同僚が数倍の成果を上げ続ける。これはこれで適した仕事とは言えなさそうです。

では「熱中できて、得意なこと」を仕事に出来たらどうでしょう。これだけでも充実した毎日になりそうです。
ところが、熱中できる得意な仕事をやり続けて生み出される成果が無意味だとしたらどうでしょうか?
例えば「一生懸命頑張れば頑張るほど、社会を悪くしていく」ような仕事についたとしたら…社会的意義のない仕事で充実感を感じることは難しいものです。
ここでいう意義は社会的意義に限りません。誰かのためになる仕事とそうではない仕事の比較と考えると、前者のほうが充実感が桁違いになるでしょう。

また「熱中できて、得意であって、意義がある仕事」をすることができない「個人の置かれた背景」も無視することができません。それは生活費不足かもしれませんし、学歴・経歴によるものかもしれませんし、家庭の事情かもしれません。各個人の置かれた制約の上で仕事を選択するのは前提条件です。

これまでのことを1つの図にすると下図のようになります。

仕事を選ぶ要素
仕事を選ぶ要素

熱中できる仕事の判断方法

「(仕事において)熱中できることはなんですか?」といわれてすぐに答えられる人は意外と少ないものです。趣味やコンテンツならすぐに出てくるのですが。

こういう時は「取り組んでいるうちに、時間を忘れた仕事はなんですか?」と訊くと、明確になります。時間を忘れて没頭する仕事は熱中できる仕事です。そういう仕事に費やせる時間が多いのは人生にとっての幸福です。
上司の「熱心にとりくめ!俺が若い頃は寝食を忘れてやったものだ!」というパワハラが無意味なのは、人によって寝食を忘れるほど没頭する仕事が異なるからです。人によって、それは違うのです。
「時間を忘れた仕事」の経験がなければ、同様の趣味などと類似・関連した仕事から取り組むのも良いでしょう。ドラマでよく見るパターンですが、馬鹿にできません。

得意な仕事の判断方法

得意な仕事の判断は少し難しいです。自分が得意だと思っている仕事と客観的に得意と思われている仕事は異なるものです。この差異は前述の「熱中できる仕事」を「得意な仕事」と混同しているケースが多いために発生します。
「好きこそものの上手なれ」という諺がありますが、本人が好きなことかどうかと周囲の客観的評価は異なります。
この諺は好きなことは「誰でも好きでやっていることは一生懸命になるし、それに関して勉強したり工夫したりするので、自然に上達するものである。無理して嫌だと思いながらやっても成長はない。」を示したものです。
勉強や工夫の末に「好き(熱心)」かつ「得意」という状態になることはありますが、仕事を選択するという場面においては、客観的に自己の得意なことを見極める必要があります。

では、どうすれば客観的に自己の得意なことを見極めることができるでしょうか?

そのためにはまず、自分が今までに成し遂げたことを箇条書きにしましょう。
そして、成し遂げた各事項について、横に自分の得意な能力や強みを並べていくのです。

このリストが出来上がると、あることに気づきます。
異なった成果を生んだ違う仕事なのに、共通の得意なことを活かしていることに気づくのです。
それがあなたの得意なことです。成し遂げた仕事はざっくりで良いのですが、「得意なこと」は可能な限り詳細に記載することが望ましいです。
一例として、人と共創して仕事を成し遂げるのが得意という人は、新卒時から付き合いのある特定の人とならできるというケースと方向性と能力が問題なければある程度誰とでもできるというケースに分かれます。前者の場合は「今の環境ならば」という前提条件も含めて記載したほうがよいでしょう。後者であれば「どこでも誰とでも」という記載になります。

まとめ

転職などをする気がなくても、「熱中できること」「得意なこと」「(自分が)意義があると感じること」を把握しておくことで、その機会がきたときに、単に金銭や待遇に惹かれているだけなのか、自分に相応しい仕事の機会が来たのかの判断を間違うことがなくなるでしょう

備えあれば、憂いなしとは良く言ったものです。

お読みいただき、ありがとうございました。
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