コロナ禍における小売店舗のトレンドと未来予測
JDMC(Japan Data Management Consortium)会員向けに講演動画を録画する機会がありました。その講演練習をした動画です。(スライドは大部分一緒)
食品スーパー
まずは、新型コロナウイルス騒動後、好調が続く食品スーパーです。
各社、緊急事態宣言中の4〜5月の実績が特に突出しています。
売れ筋が当初のインスタント食品から、徐々に惣菜やに推移していることもあり、惣菜に特徴のあるヤオコーが4月よりも5月に前年比実績を伸ばしています。
同様に4月よりも5月好調だったのは、広島・岡山に展開するハローズ。こちらは全店24時間営業ということで「密」を避けたい顧客心理から支持されたのかもしれません。
GMS
食品スーパーとは大きく異なる実績となっています。
特にイトーヨーカドー、イズミ、イオンリテールの苦戦が目立ちます。普段は人が集まるという点とテナントの休業による集客力低下影響が大きいと考えられます。
この中で絶好調なのはオリンピック。オリンピックは関東で食品スーパー+ディスカウントストアを主体としてGMSです。食品以外の取扱品目が小型ホームセンターという感じの店が多いことから非食品の実績(5月既存店前年比129.6%)も好調です。
コンビニエンスストア
おにぎり、弁当、惣菜といった中食が収益の柱であるコンビニエンスストアは、スーパーマーケット特需の影響を大きく受けています。
在宅勤務(WFH)が増えたことで、都市部コンビニの収益は5月までよりは持ち直すにしても、かなり厳しい状況が続くことが予想されます。
ドラッグストア
ドラッグストアはチェーンによる収益変化がハッキリ出ました。
2月まではマスク・アルコール特需で良かったものの、インバウンド売上激減、化粧品売上20〜30%減少に加えて、OTC医薬品の実績も化粧品同様に振るいません。
コスモス、カワチ、クリエイト、アオキといった食品構成比が大きなドラッグストアは好調です。これら店舗は都市部への出店が少なく在宅勤務の影響が軽微であること、店舗が大型なのでワンストップショッピングがしやすいこともホームセンター同様に好調な要因といえます。
一方、化粧品比率が高く、都市部店舗が多いマツモトキヨシ、ココカラファインが苦戦しています。特にインバウンド売上比率が他社より大きなマツモトキヨシの苦戦は続くかもしれません。
専門店
アパレルは全般に苦戦しているのですが、既存店が前年を上回っているのは絶好調のワークマン。ワークマンの場合、立地のほとんどがロードサイドであり、在宅ワーク化しにくい仕事の作業着を販売しているためコロナ禍の影響が少なかったものと考えられます。
無印良品の業績が厳しかったのは、ショッピングモールなどへの出店が多いためと考えられます。
オートバックスは、県をまたぐ遠出がなくなった影響が考えられます。
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