PCR検査で陽性と判定された人が本当に新型コロナウイルスに感染している確率は約6.5%に過ぎない

PCR検査是非の結論

 話題沸騰のPCR検査論です。
 結論は、
①専門医による診断の結果、必要性の高い人には迅速に実施できる体制が必要
②一般市民に対するスクリーニングや漠然とした不安に応えるための検査は増やすべきではない

 とシンプルです。

 ①と②は対立しません。そして、①が必要と考えていない人はいないと思います。

 そうです。問題は②が理解できていない人が政治家・マスコミ・一般人・一部医療関係者問わずに多いということなんです。

 「一般市民に対するスクリーニングや漠然とした不安に応えるための検査は増やすべきではない」について、非常にわかりやすい記事を医療法人社団悠翔会の佐々木淳医師が書かれています。7項目いずれも腹落ちする内容ですので、ぜひお読みください。

【1】なぜ一般市民はPCR検査をしちゃいけないの?
【2】じゃあ、なぜ医師会がPCR検査の拡大を求めたりするわけ?
【3】なぜ、医師が必要と判断しないとPCR検査を受けらないの?
【4】それでも日本はPCR検査が少なすぎるでしょ?
【5】日本はPCR検査が少ないから、感染者をちゃんと見つけられていないだけなのでは?
【6】日本の治療成績がこんなにいいのはおかしい。死亡者をちゃんとカウントできていないのでは?
【7】抗体検査の結果、かなりの人が陽性だったと報告がある。実際に感染した人はもっと多いはず!

本当にPCR検査は必要か?

PCR検査は増やすべきなのか? 結論から言えば「必要性の高い人には迅速に実施できる体制が必要」だが、「一般市民に対するス…

人口10,000人の市民全員PCR検査したら、どうなるか?

 さて、どんなにわかりやすい記事でも数字がたくさん並ぶと理解できなくなる人は多いです。
 ということで、人口10,000人の市で全市民にPCR検査をしたら、どうなるかを図にしました。

実際の感染者イメージ

 ちなみに人口10,000人の市は2020年4月1日時点で、
福岡県 田川郡 香春町 10,099
宮崎県 児湯郡 都農町 10,028
北海道 赤平市 9,952
岐阜県 加茂郡 川辺町 9,906
あたりです。


というわけで、10000マスある中で10マスが赤い図です。
日本全体の感染率(カウントされている20倍いた場合)と同じ割合です。

10000人の市で多めに見積もって10人が感染している日本のイメージ
公表値の20倍感染者がいたとして‥

10,000人全員にPCR検査をやったら?

 次に、PCR検査を10,000人全員にやった場合の図です。
①本当の感染者10人のうち、陽性と出た7人は赤のままで、感染しているのに陰性と出た3人は黒く塗られたマスです。
②本当は感染していない9,990人のうち、陽性と出た人は100人です。9,890人は陰性と正しくでます。そう、大部分の非感染者は陰性と正しく出るのです。

10,000人の市で全員にPCR検査をしたらどうなるか
10,000人の市で全員にPCR検査をしたら‥

10,000人の市で陽性と出るのは107人だが、107人のうち100人は実際には感染していない。

 図の中に書いたように、PCR検査を10,000人にやると、107人が陽性(赤+紫)と出ます。
 ところが、このなかに本当の感染者は7人(赤)しかいません。したがって、PCR検査で陽性となった107人の約6.5%しか本当の感染者はいないわけです。
 したがって、PCR検査は無差別にやるのではなく、専門医の判断の元に、COVID-19の疑いのある人だけに行うべきなのです。
 これだけで納得行かない部分もあると思います。ぜひ、元の記事をお読みください。かなり網羅的に書かれた良いコンテンツです。

本当にPCR検査は必要か?

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