MD NEXT連載(郡司昇のリテール・ニュー・フレームワーク)の第5回は、本題である「実店舗小売業の購買行動ファネル分析」の2回目です。
今回はファネルの「1.店を認知する」した生活者をいかに「2.入店する」させるかという手法と、入店することで来店客となった来店客に「3.商品が目に入る」してもらうかという手法についてです。
一言でいうと、店舗全体で醸し出す雰囲気と店舗設計部門のレイアウトが物をいいます。
ファネルでいう、赤い部分です。
まず、店頭が店の前を通った生活者にとって、その時(天気・イベント含め)魅力的であるかどうか。いわゆるニギニギしさも入店率を左右します。
入店した後は、より多くの商品を来店客に見てもらえるかどうかの勝負になります。
通路幅・棚の高さ・棚割り全てがその店舗を利用される顧客に最適化されているかどうか。ここで見落としがちなのは、商品を購入する人と使用する人が違うケースです。
代理購入者が多い店では、ID-POSを商品軸で見ると見誤ります。あくまで顧客軸で見ることで男性用化粧品を男性が買っているのか?女性が買っているのか?を見て、売場のレイアウトを決める必要があります。
前年比が厳しくなると、従業員のシフトを削りがちですが、店舗従業員の人時が不足すると真っ先に増えるのが機会損失です。バックヤードに在庫があっても、来店客の目線に商品が並んでいなければ売れません。安易に人を減らすと必然的に負のスパイラルに陥ることになります。人時を減らしても店舗のクオリティが担保できる効率的な仕事方法(例えばSKU削減)を入れるか、魅力的な商品を投入して売上を上げるほうが上策です。ここで、売上を上げようと特売やポイント○倍デーを増やすのは愚策といえます。
棚が目に入っても、すべての商品に同じようなPOPがついていると、どの商品も目に止まりません。目線を引き込むようなPOPの枚数は絞り込んで、つける商品を厳選することが棚前で立ち止まっていただくためには必要です。
今はそのような顧客行動を画像AIで測定することも可能です。
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