TBSで「レジ横ついで買い戦略」のコメンテーターをしました

TBS 安住アナの朝番組「THE TIME,」のTIME マーケティング部コーナーで「レジ横ついで買い戦略」のコメンテーターをしました。

経緯

以前、Agenda noteの連載で「和菓子がコンビニのレジ横にある理由とは? 「レジ周り」は最強のリテールメディアになる」というコラムを書きました。

https://agenda-note.com/retail/detail/id=5422

これをご覧になった番組ディレクターの方が連絡をくださった次第です。

詳細解説

番組の構成としては、レポーターの方(この日はインフルエンサーの重松 文さんでした)が企業取材をして、街の声や専門家(今回この役割です)のコメントを含めた番組を放映し、安住アナがマーケティング部長に扮してスタジオトークするという流れです。

この日は「レジ横ついで買い戦略」ということで、ローソン、IKEA、アットコスメストアの三者三様の取り組みを取り上げたものです。

番組中にコメントしたことも含めて、もう少しだけ詳細に解説していきます。

前置き

小売業は、物である商品と人である生活者が出会う場を提供する事業です。

入店した人の多くが買い物をする業態で、最も良い場はレジ周りです。人が対応することで接客をすることができる点もありますし、多くの来店客の目に触れる上に滞在時間が長い場所です。

また、財布を開いた状態というのは、文字通り「財布の紐が緩む」状態であり、ついで買いが発生しやすいのです。

ローソンのレジ横戦略

コンビニのレジ横戦略

コンビニにおけるレジ横和菓子の話は前述のAgenda noteに書いた通りです。

取材対象のローソンの取組みで面白いのは、ホットフードのセルフ販売です。

街の声でも「後ろ混んでるし…と思うと頼みにくい」などの声がありました。セルフにすることでじっくりと選ぶことが出来るわけです。

また、店員のオペレーションにも効果的です。ホットフードのオーダーが入る度に手を消毒をしてケースに行って取り出すという作業が発生しなくなるのです。

スタジオトークでも出ていましたが、セルフレジが増えることでホットフードの販売機会が減りますので、来店客が自分で取れるセルフ什器は理にかなっています。

IKEAのレジ横戦略

IKEAのレジ横戦略

イケアといえば

IKEAのレジ横といえば、なんといってもエコバッグ。「IKEAのエコバッグをイラストにして」とchatGPTに聞くと描いてくれるくらい有名です。

Illustration of an IKEA checkout bag. The bag is large, blue, with the iconic yellow IKEA logo. It's made of a durable, woven material, and has sturdy yellow handles. The bag is partially open, showing its spacious interior, and is placed on a simple, white background for clear visibility.

丈夫でたくさん入るので、コインランドリーでもよく見ます。また、キャンプが好きな人は複数枚購入することも珍しくなく、番組では20枚!!!買う人がインタビューされていました。

コインランドリーとIKEAのエコバッグ

IKEAのような大型店舗は店舗数が少なく、店まで行くことは低頻度です。しかしながら、様々なシーンでこのバッグを目にすることで、繰り返しIKEAを想起するわけです。家具や小物を買おうといった時に思い出しやすくする仕掛けといえます。

レジ前で再度出会う商品

渋谷や原宿の都心店はともかく、IKEAのレギュラー店は長い距離を基本的には一方通行で歩くので、道中で気になった商品をスルーした後で欲しくなった時に困ります。これを救うのがレジ前に集めた売れ筋の小物です。何も買わないでレジを通るプレッシャーを軽減してくれるので、私もここで食品を入れるフリーザーバッグを買うことが多いです。

レジを通過した後の目玉品

レギュラー店で長い距離を歩く間に、買おうかどうしようかという検討を繰り返します。この歩きの疲れと「決断疲れ」で血糖値が低下し、かつ財布を開いて買い物をした後に、最後の目玉品が待っています。

番組では重松さんが、50円プラントベースソフトクリームと80円のベジドッグ、190円のドリンクバーの合計320円(税込)を美味しそうに食べていました。

https://www.ikea.com/jp/ja/food/salesareas/bistro/

最後に安さを含めた良いイメージを持って帰ることになるので、次回来店しようという気にさせる上手な戦略です。

アットコスメストアのレジ横戦略

レジの並び方に並列並び(パラレル並び)と1列並び(フォーク並び)があり、それぞれのメリット・デメリットがある話は「小売業の本質」の5章6節「決済する(買う)」で書いた通りです。

https://amzn.asia/d/gomzKjF

コンビニやドラッグストアに多い1列並び(フォーク並び)のメリットは公平感・安心感ですが、待ち時間が長くなり、かつ長く感じるというデメリットがあります。

そこで並び列の両サイドに興味を引く商品を並べることで、イライラを解消しながら、ついで買いを狙えるわけです。アメリカではセルフレジの増加と共にセルフレジ待ち用に1列並び(フォーク並び)のケースが増えており、以前からアットコスメストアと同様の取組みをしています。

アメリカTargetのレジ前の並び

また、1列並び(フォーク並び)は、レジ直前での横入りのクレームが発生しやすい並び方ですが、待機列を明確化することでクレームを減らす効果も期待できます。

出演の感想

優秀かつ感じの良いディレクターさん、ADさんでした。毎日のコンテンツを適切に作るノウハウが見て取れたのが大きな学びです。

例えば、収録して終わりだと思っていたら、後日に安住紳一郎さんから「こういう切り口はないか?」等のご意見をもらっての調整などもディレクターさんがされていたので、毎朝15分くらいのコーナーが全力投球で作られていることを知りました。

番組概要


日時 :2023年10月18日(水)朝7時35分
番組名:「THE TIME,」(コーナー「THE マーケティング部」)
放送局:TBS系列
放送地域:全国放送 *一部地域を除く
番組概要 :安住紳一郎アナウンサーを総合司会に「ニッポンの朝がみえる」をコンセプトにお届けする朝の情報番組
公式HP:https://www.tbs.co.jp/thetime_tbs/

お読みいただき、ありがとうございました。
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