小売業とメーカーの連携で必要なこと

 元セブン&アイ・ホールディングスCIOでデジタルシフトウェーブ代表取締役社長の鈴木氏、元西友CMOでPreferred Networks執行役員CMO・イトーヨーカドー顧問である富永氏と対談しました。

(表面上の)顧客のために!ではなく、(自分で)顧客の立場に立つことが小売りマーケティングのスタートライン

 (会議室で考える「顧客のために」ではなく)自らが顧客の立場に立って見ることから始まるのがマーケティング。そういう発想がリテールにないことが小売業がマーケティング出来ない理由です。
 小売組織内でお客さんに何が必要なのか議論し合うと、だんだん連携が高まって精度が高くなり、良い方向に進むという議論を行いました。


 リンク先は対談の前編となります。


https://agenda-note.com/conference/detail/id=2136

鈴木 基本的には、リテールとメーカーでお互いに話し合って、不必要な慣習など無駄をなくすことが必要ですよね。意外とややこしいのが、この視点から考えられるのは、現場ではなく、経営者だということ。
富永 そうですね。「マーケティングは、経営でもある」という文脈から考えると、小売のCEO(Chief Executive Officer:最高経営責任者)は、CMO(Chief Marketing Officer:最高マーケティング責任者)でもあると言えます。
——メーカーの場合、CEOとCMOが分かれているケースが多いですよね。
富永 それは、メーカーのCMOには、商品開発という機能が含まれるからでしょう。商品開発からマーケティング、リテール対策までCEOやCOOの管轄に入れてしまうと、業務と責任が大きすぎるという面があると思います。リテールにおけるCMOは、商品部がどの商品を店舗に並べるのかを決めて、それを販促チームでどうコミュニケーションするかを決めて、店舗運営部門で発注や在庫管理など物の流れをみてと機能が3つぐらいで収まるんですよ。なので、それらをひとりで管掌するのが合理的です。そうした役割は、リテールでは営業本部長という肩書きの人が担っていたり、そのポジションを置かずにCEOが担っていたりもします。
郡司 ただ、なかには単に営業部長が偉くなって営業本部長になっただけという、肩書きだけの会社もあります。そういう会社では、営業本部長は本当の意味でのCOO(Chief Operating Officer:最高執行責任者)やCMOではないんですよね。

のあたりと、

リテールにCMO(Chief Marketing Officer)は必要か?

——リテール側にマーケターが不足しているとはいえ、マーケティングが必要だという気運が高まっていると感じるのですが。
鈴木 たしかにリテールもずいぶんと変わりました。ただ、そうやって元気がよくなったのは、SPA(製造小売業)、もしくは創業者がまだ元気なところに限られていると思います。創業者は、当然、事業を立ち上げているわけでマーケターと呼ぶこともできます。
富永 大手リテールは、たくさんの店舗を抱えていて組織も大きいため、全体にコンセプトを徹底させるためには、ものすごく強いリーダーシップが必要なんです。創業者じゃないと、その力を持ちづらいという面はありますよね。
鈴木 だからリテールでは、CEOがCMOであるべきなんです。残念ながら、現状は代替わりして、マーケティングを経験したことがない“サラリーマン社長”がトップに就いている会社が多い。それで、他社からマーケターを採用するんですが、外部の人材を入れた経験が少なくて、うまくいかないんです。
郡司 昔からリテールにマーケティングが必要なのは、明確でしたよね。モノが足りない時代は、良い商品をたくさん並べていれば良かったんです。でも、モノが充足したあとは、どういう売り方をするかが問われていますから。
リテールは商品部長もしくはマネージャーという肩書きの人の下にカテゴリーごとにバイヤーがいて、メーカーを担当しています。そうなると、担当するカテゴリーのことしか考えられなくなって、お客さんの悩みはそのカテゴリーだけで解決できるわけではないので、徐々に商品ラインアップがお客さんの意識とずれていきます。
顧客の立場に立って、見ることから始まるのがマーケティング。そういう発想がリテールにないことが問題だと思います。
——経営レベルではなく、現場レベルで解決に向けて方法はないでしょうか。
郡司 経営陣はもちろん、部課長級の中間管理職がマーケティングを勉強するしかないですよね。スキルがないなら、獲得すればいいという話かな、と。会社に対してぼやいている人は多いけれど、実際に勉強している人は少ないですよね。
富永 郡司さんがさきほど指摘した、お客さん起点で考えることは、なかなか難しいですが、大事ですよね。自分がそのために西友時代に取り組んでいたのは、フィーチャープランミーティング。
月1回、商品部が3カ月後にフィーチャーする商品を説明して、マーケティング部門が前月に商品部から聞いた商品のコミュニケーションプランを話して、店舗運営部門が2カ月前に商品部から聞いて1カ月前にマーケティングから聞いた商品をどう売るかという話をするんです。そのレベルでお客さんに何が必要なのか議論し合うと、だんだん連携が高まって精度が高くなるんですよ。


は必見です。

後編は、壮絶なセブンプレミアムPBの話から始まって、リテールとメーカーがどうすれば連携できるかの結論へ。
実はかなりカットした部分がありまして、読みやすくはなったのですが、鈴木さんの

「共通目的を持つこと」

の響きが対談時より弱いかもしれませんが、十分面白いと思いますので、どうぞ。

https://agenda-note.com/conference/detail/id=2137

お読みいただき、ありがとうございました。
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