【書評】実践マーケティングデータサイエンス

経緯

時々、私がお手伝いしているクライアントの一つにコニカミノルタ様があり、マーケティングサービス事業で展開するgo insightというAIを活用した顧客行動分析サービスが主です。

そのプロダクトマネージャーをされていた清水 隆史氏が同じくコニカミノルタ社所属の淺田晃佑氏と本を出版されたということで、ご恵贈いただきました。

※なお、マーケティングサービス事業はコニカミノルタマーケティングサービス株式会社の所管ですが、6月1日付で同社初代代表取締役である岡本 賢祐氏が設立したゴウリカマーケティング株式会社と合併して新会社になるそうです。

書評

清水氏らが電気通信大学で行った人気講義が書籍化されたという経緯だそうですので、出版社が学術図書出版社という教科書よりのところです。その分、初心者が網羅的に頭と手を動かすものとなっています。

第2章のショッパーマーケティングの課題にページ数を多く割いています。これには2点理由があると考えます。

ひとつは、go insightのデータを匿名化加工して実際にPythonで分析していくという手法上、何をやっているかを明確にして、のちの課題出しをするため。
もうひとつは、分析のゴールはあくまでもビジネス課題の解決にあるからです。後者がより重要です。

本書は、Pythonプログラムを駆使して日々のお買い物行動データを探索的・仮説検証的に解析し、機械学習モデルを構築することで、ビジネスにおけるデータサイエンスのプロセスを学ぶための一冊です。現実のビジネスデータを使用し、実際にビジネスに携わる清水氏等ならではの本といえます。

初級者には理解の難しいデータ解析・機械学習をRPG(ロールプレイングゲーム)に例える手法は、理解の助けに大いになります。

本書は、ビジネスに通じるデータサイエンス力を身につけたい方や、マーケティングデータの分析に関心がある方、消費財メーカーや小売企業で業務をされている方を対象に、データサイエンスに関するプロセスや手法を学ぶことができます。

統計学的には除外することだけである意味軽視されることの多い「外れ値」「欠損値」がビジネス上は意外な気づきを生むことなど実務者ならではの視点があるのも読みどころです。

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