小売・消費財業界の未来を決定づける7つのデータドリブン型トレンド~小売の未来は一日一日が勝負

The future is coming … but still one day at a time. Seven data-driven trends defining the future of the retail and consumer products industry.
というDeloitte掲載の記事が超長文ですが、データに基づいて良くまとまっていたので、要点を翻訳(わかりにくいところはかなり意訳してます)して記載します。

https://www2.deloitte.com/us/en/insights/industry/retail-distribution/retail-and-consumer-products-predictions.html?id=us:2em:3pa:consumer-business:eng:di:062920

まとめ:”運命を握るのは星ではなく、自分自身である”-ウィリアム・シェイクスピア

多くの人がテクノロジーの変化を優先させたいと思うかもしれないが、データは、時間とお金の消費者経済学が最優先であることを物語っている。

多くの消費者の財布が圧迫される中、小売・消費者製品企業はカテゴリーのシェアだけでなく、財布のシェアを競っていることを認識する必要がある。その意味で、医療費の上昇はアパレル小売企業にとってブランド競合の成長と同じくらい大きな脅威であることを理解する必要がある。同様に、食料品小売業者にとっては、食料品の宅配便の成長と同様に、食品から家庭外への支出へのシフトが重要である。

消費者経済を理解して戦略を立てるためには、内部データや外部データを活用して、ビジネスに影響を与えるトレンドを理解し、測定することが必要である。組織外で作成されたデータソースにアクセスできるようにするためにパートナーシップを結ぶことも重要性を増す。

より現実的で、データを中心としたこのアプローチは、消費者の動向や我々が観察・測定できる経済機会に焦点を当てたものであり、企業は自らの意思決定、戦略、投資を消費者により良く伝え、破壊的な市場における自らの将来の成長を描くこともできるようになるだろう。

1:商品のコモディティ化・プレミアム化

食料品店の在庫数は1990年代に比べて5倍になっている。商品は複数のチャネルを介して購入されており、73%の消費者が実店舗、E コマース、デジタルアプリ、ソーシャルコマース、マーケットプレイスのプラットフォームを組み合わせて商品を購入しており、競争の激化と複雑さを増している。

小売業者や消費者製品メーカーは、プライベートブランドが持つコントロール性の高さを利用して、顧客のニーズにより適した差別化された製品を提供するようになってきている。多くの小売業者はプライベート・ブランド、さらにはプレミアム化にシフトしており、収益性、顧客ロイヤルティ、成長を促進している。

2:広告費の増加に伴い、デジタルでの成功はますます見えにくくなる

デジタル広告費が増大しているが、収益はそこまで伸びているわけではない。
全体の15%に過ぎないとはいえ成長分野であるため投資が集中している。事業の成長は投資に見合うペースでは起きていないため、レッドオーシャン化を促進する状況になっている。

3:実店舗が小さくなって身近になる

実店舗は死んだわけではないが、確実に変化している。実店舗はますます小さくなり、消費者の近くに来ている。しかし、店舗の役割を分析せずに店舗の規模や立地だけを考えるのは近視眼的である。

大規模小売店も小規模小売店も、成功している小売店の主な価値提案は、消費者の近くに在庫を配置し、店舗を通じて物理的にもデジタル的にもアクセスできるようにする能力にある。

4:新たな収益モデル出現

小売業者や消費者製品の競合企業は、成長を加速させ、変化する消費者に対応するために、従来の収益モデルの外に進出している。

消費者との直接取引、フードサービス、サブスクリプションサービスのレンタル、マーケットプレイス、再販など。DTCブランドの数が増加しており、その数は現在約400と推定され、増加している。

個々の新モデルは、伝統的なビジネスモデルの海の中では取るに足らないもののように見えるかもしれないし、どのモデルが将来的に完全に実行可能で成功するかは不明である。しかし、新しいモデルの集合体は、集団的に地歩を固め、加速し、市場シェアを争うより大きな、より重要な競争相手になりつつある。

5:新戦場としての利便性

体験型小売が話題になっているにもかかわらず、市場の成長の大部分を牽引しているのは「劇場のような小売」ではない。むしろ、市場の最大の成長を牽引しているのは、利便性を提供している小売業者であり、10人中9人の消費者が利便性に基づいて小売業者を選択する可能性が高いと回答している。

多くの人が店舗小売の「体験的」な側面を支持しているが、小売業の成長には利便性での勝利がより重要である。

戦略を構築する上では、ターゲットとなる消費者と、消費者がどのような利便性を求めているかを理解することが重要になる。

6:健康と持続可能性市場はごく一部が実質の対象

消費者は「環境に配慮した製品にはもっとお金を払ってもよいと調査で繰り返し『はい』と答える」。
しかし、お金を使うかどうかの選択を迫られると、そうとは限らない。

購買決定は経済的制約によって形作られる。
より「健康志向」と「持続可能性を求める」ようになってきていることはある程度事実であるが、消費者を単一のレンズで見て同じように行動していると考えることは、誤解を招くことになる。

7:小売業の統合と市場シェアの細分化

米国の小売業者の市場シェアは、大規模なプレーヤーに集約されつつある。
一方で、消費財分野の新規参入企業と既存企業は、選択肢の増加とブランドの爆発的な増加により、市場シェアの細分化を経験している。

統合と断片化の両方のトレンドは、課題や機会の個別化に繋がる。同質化状態を脱却する機会ともいえる。

お読みいただき、ありがとうございました。
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