前回は、
「社内で〇〇プロジェクトを立ち上げる!」とトップが決定し、各部署から精鋭が集められて、「さぁ、やるぞ!」と息巻く。 が、半年後には何の成果も残さないまま、自然消滅… これって、実は業種を問わず多くの会社で起きていることなんです。 いろん[…]
計画を立てて進めるプロジェクトについて書きましたので、
今回は緊急時の対応について書きます。
しかしながら、緊急対応に関しては、ほぼ私がやっていたことと同じ内容を理由も添えて簡潔に、元Yahoo!Japan社長で、現東京都副知事の宮坂氏がnoteで書かれていますので、ポイントをピックアップします。
1.作戦司令室をつくる
まず全員をあつめること。
会議室をひとつ全部おさえること。で、全員をとにかく集める。
ここが危機対策の作戦司令室になる。
終結宣言までずっとこの部屋は確保しておく。
なぜかというと、
1)会議室を都度確保していると、その調整と連絡で時間がロスする。
2)ホワイトボードなどに議論の過程と結論が書き続けられていくので、継続性が担保できる。
からです。
2.キックオフが重要
まず第一回のキックオフミーティングを開催する。
そこでトップは現在の状況を全員で共有するための資料をつくること。
その資料は部下ではなくトップ自らがつくること。
いま何がおきてるか?いま何をしなければいけないか?迷惑をかけてるユーザはどれくらいの広がりがあるのか?その原因はなにか?診断と処方はどれくらいすすんでるか?。
これらをキックオフミーティングでトップが自分で言語化して話さねばならない。トップがいわないと伝わるものも伝わらない。
(以下略)
トップの心得としての項目ですね。
ここで書かれていないこととしては、初回が最も情報のミスマッチが大きい状況で始まりますので、部署長が自ら参加することが必須です。各部署の情報については、この心得の通り完全に掌握して参加する必要があります。
3.チームをわける。そしてチーム毎に一人だけチームリーダをつくる
2ができたらチームをわける。
なぜなら危機対応は総合格闘技のようなもので立ち技、寝技、パンチ、キック、あらゆることに同時に対処する同時並行型の仕事になる。
だからこそ効率的にチームをわける必要がある。
そして危機対応の時は全社から続々と人が集まってくる。だから1つのチームに部長が4人とかのケースがざらにでてくる。忖度してお見合いをしてる暇はないのでリーダはとにかく一人にしとく。(以下略)
ここはYahoo!の組織規模だから…の話ですね。通常の企業では、部署長という管理ユニットで良いです。
えっ?部長が大勢いる? 組織はスリムな方が機能します。普段から減らしましょう。
4.定時連絡の仕組みをつくる
チームをわけると同時並行でタスクを処理できるようになるが横のチームの動きがわからなくなる。
だから定時連絡の仕組みを。メールでもメッセンジャーでもなんでも良い。
なにかおきたら連絡ではなく時間がきたら必ず連絡する。顔をあわせてやるときは現場対応の人は呼ばずにリーダーがあつまってやる。(以下略)
ここで重要なのは2点。
1)定時連絡方法の決定はマストです。PC以外からも受発信できる手段が望ましいです。集まれる人は事前に決めた時間に司令室に集合します。
2)司令室に集まるのは、あくまでも部署長です。現場の人を招集するのは我慢すること。どうしても、話を聴きたければ現場に行った方が良い。
5.ホワイトボードを用意
1チーム1枚の原則。けちらない。作戦司令室におく。10チームあれば10個おく。
ボードだけみたらどのチームが何をしてるかがわかるようにすること。
深刻な事故に時はつぎつぎと新メンバが最前線に投入されていくことになるがボードみればわかるようにしておくと便利。
6.食い物と睡眠も復旧対策
長期戦だと気分がめいる。徹夜も数日やると精神も身体もボロボロになってくる。続かない。
食事を家畜の餌化せずに少しでも気休めになるようにけちらない。
できれば暖かいものをたべれるように手配する。
また睡眠不足からの事故が最悪。
食べる、寝るも事故復旧のひとつとして丁寧にやる。
ということで、トップと部署長以外にサポートメンバーも2名ほどいると機能します。サポートメンバーは司令室のケアの他に、ホワイトボードのテキスト化(部署長が部署に落とし込むときなどに役立つ)などを行います。
7.広報はユーザーファーストに
メディアよりユーザーの知りたいことから伝える。メディアはメディアのききたいことを聞いてくるが大事なことはメディアではなくユーザーの知りたいことをつたえること。メディアも殺到してくるケースがあって彼らの知りたいことを話したくなるが、ユーザーが知りたいことを話す。推測と事実をしっかりわけて伝えること。メディアは比較的、憶測も含めて話して欲しいといわれるケースが多いが事実を話すことに。憶測はユーザーの役にたたない。
8.対外リリースも定時化
対策が長期化しそうなときは対外発信を定期化する。
人は、情報があるかな?とおもって見にいって情報がない、それが何度か続くと不愉快になる。
だからユーザーやメディアに対しても次の情報はN時更新の予定ですとあらかじめ広報ページに記載しておく。
定時更新のときに何も更新すべき情報がなければ「何もありません。次はN時です」と書いておく。
またプレスリリースについては初報のプレスリリースは決定的に重要。
プレスリリースの初報はリーダーが納得するまで一字一句、句読点まで自らが筆ととって手をいれる。
7.8.はまさにこの通りですね。次の9.は個人的には同意できませんが、トップの本気ということかと思います。
9.トップは帰ってはいけない
深刻事故対策でのトップの最大の仕事は、平常な顔を見せつづけること。
だから山をこえるまでは絶対に家にかえらず(床か近場のビジネスホテルで寝たらすぐに戻る)に作戦司令室で鎮座しとくこと。また焦りたくなる気持ちがあってもイライラしたりせかせか歩いたりしがち。焦りの気持ちを表に出さずに右往左往せずに平然とした顔ですわってゆったり歩く。(以下略)
10.終息宣言
いやな予感がなくなるまでねばちっこくやる。
いやな予感ほど危機のときはよくあたる。
いわゆる虫の知らせが聞こえなくなるまで油断しない。
それがなくなったら終息宣言。部下がもう大丈夫といっても、自分のなかから虫の声がきこえてくるならばそれはまだ宣言してはダメ。
特に1.2.4.5.6.8.はどの企業でも通用する事項だとおもいますので、ぜひ元のnoteを全部読んでください。
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