Amazon薬局が驚異にならない理由2つ

アマゾン薬局ことAmazon Pharmacyは驚異となるか?

2020年11月17日に発表されたAmazon Pharmacyが書籍業界のように業界を変えるのではないかと見る人が多いです。しかし、私はそうならないと考えます。

Amazon薬局が驚異にならない理由

1.Amazon.comと分断されたサービスである

Amazon Pharmacyで顧客が入力した情報は米国のヘルスケア情報基準であるHIPPAに基づいて安全に保管され、ユーザーの許可なくして広告やマーケティング利用では共有できません。
Amazon Pharmacy担当バイスプレジデントを務めるTJ Parker氏はCNBCに対し、「Pharmacyの情報と体験は、Amazon.comの体験とは切り離されている」と発言しています。

2.単なる後発参入に過ぎない

米調剤市場は4,462億ドル(2019年)で約20%がアプリやWebサイトを介したメールオーダーです。これはリフィル処方箋制度の存在が大きいです。

Walgreensアプリのリフィル処方箋機能
Walgreensアプリのリフィル処方箋機能

※リフィル処方箋制度
リフィル処方箋とは、一定の定められた期間内に反復使用できる処方箋のことで、患者が医師の再診を受けることなく、処方箋1枚で繰り返し薬局で薬を受け取ることができる処方箋です。
病状が安定した患者において医師が期限を決めて処方箋を書き、その期限内であれば薬剤師のモニタリングの元に、その都度繰り返し調剤が行われる。
薬剤師はモニタリング結果を薬歴や調剤録に記録をとる。薬剤師が再受診を必要とすると判断した場合は調剤は行われず主治医に受診勧奨を行う。
薬剤師によるモニタリングを前提とした仕組みです。
患者にとっては医師のもとを訪れる手間が省ける。医療費削減にもつながるメリットがあります。
医師のメリットは治療が必要な患者に専念することができ負担が軽減されることにあります。

Amazon Pharmacyはここへの後発参入に過ぎないのです。 州ごとに違う規制があるというアメリカの事情もありますが要素としては比較的小さいです。処方薬と一般の買物商品は同梱禁止なので、Amazonでついで買いするという行動にもならないというのは大きいです。
このあたり(医療用医薬品と普通の買物同梱)が日本でどうなるかも注目ポイントです。

アメリカで伸びるサービス

こちらは日本と事情が違う故なのですが、参考にはなります。

「自分の近所の、どの薬局に行くと同じ薬が一番安価に買えるか?」をスマホで調べるアプリを提供しているGoodRXという企業があります。

GDRXのミッションは「アメリカ人が余裕を持った価格でヘルスケアを受けられるようにすること」です。

国民皆保険がない米国において、医療費負担は日本と比べ物にならないほどの負担感です。
そのため、処方箋の20%から30%が薬局のカウンターに置き去りにされています。つまり、払えないのです。
処方された薬を全く飲まなかったり、指示通りに飲まなかったりすることで、米国では4分に1人が死亡している。( American Journal of Health-System Pharmacy)という報道もあります。
救急部門の受診の推定30%は、プライマリーケアやその他のケアの場で治療できたはずの健康上の問題が原因で発生しているそうです。

医療従事者の68%が患者にGoodRxを推奨しているのは、そういった背景があるにせよ、患者目線であるともいえます。(https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1809519/000119312520234662/d949310ds1.htm

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