Wegmans(ウェグマンズ)とは
Wegmansは、ニューヨークの北部を中心に東海岸の州で展開している家族経営のスーパーマーケットです。
2021年時点で107店舗で年商約1兆6,240億円ですので、1店舗あたりの年商が150億円超ということになります。スーパーマーケット個店の売上としてはトップクラスです。
また、各種メディアでアメリカで最も好きなスーパーマーケット調査を行うと、たびたび1位をとっています。Wegmansのある地域に住んでいた人が東海岸から引っ越すと、Wegmansロスを感じるほどの人気店なのです。
アメリカのスーパーマーケットは日本よりも大きく、品揃えも40,000SKUくらいあります。日本の一般的なスーパーマーケットは2万SKU程度です。Wegmansは50,000から70,000SKUを取り揃えており、店内には4,000点以上のオーガニック商品が並びます。
それだけの商品がたくさん売れる店舗ですので、店舗は75,000平方フィート(約7,000平方メートル)から 140,000平方フィート(約13,000平方メートル)と大型です。
なお、日本のスーパーマーケットの売場面積平均は都市圏で1,037.8m²、地方圏で1,369.7m²です(平成29年「スーパーマーケット年次統計調査報告書」)。
Wegmans Brooklyn Grocery Store
Wegmansはどの店舗もヨーロッパの野外市場のような外観と雰囲気を持っています。マンハッタンに近いブルックリンの店舗は他店よりも近代的な外観をしていました。
入店して新鮮な青果が並びます。その横を見ると、職人が作るパン、焼き菓子等が見事に陳列されています。
精肉
肉の品揃えも素晴らしく、可能な限り地元産の肉を取り扱っています。また、放し飼いで自然な牧草で育ったオーガニック認証を取っている精肉が豊富です。オーガニック認証を受ける家畜を育てるコストは通常の倍かかると言われていますので、日本ではあまり見かけません。
鮮魚
鮮魚コーナーは他社よりも圧倒的にReady to Eat (調理済み)、Ready to Cook(調理準備済)、Step Savers(下ごしらえ済)が多く、ライフスタイルに合わせて好みのものを購入できます。
鮮魚から冷凍まで豊富な選択肢が魅力です。
惣菜
Wegmansでは、専門調理師学校と提携して店内シェフを育成しています。彼らが前菜からデザートまでフルコースメニューを開発しているため、持ち帰りミールセット(Meals To Go)のコーナーは大人気です。ITにはそれほど注力していないWegmansですが、meals2GOというアプリからオーダーできる仕組みを用意しています。
Wegmansは寿司コーナーにも特徴があります。
鮮魚小売業を中心に卸売業、飲食事業などを手掛ける日本の魚力と業務提携しているのです。最新の冷凍システムにより日本で水揚げされた旬の魚を加工し、鮮度を保持しながら商品を輸入しています。また、商品だけでなく売り方を提案し教育機能も担っています。
ネットオーダー
Whole Foods MarketやAmazon Freshほどではありませんが、ネットオーダーの商品を店内ピックアップする店員もいました。
Wegmans Harrison Grocery Store
入店してすぐにmeals2GOの案内や提携するInstacartによるネットオーダーサービスの紹介があります。
Wegmansは顧客に圧倒的な人気のあるスーパーマーケットですので、従業員もとてもやりがいを持って働いています。
FORTUNE 誌の最も働きがいのある企業 100 社のリストで2022年は3 位にランクされました。2005年には並いる企業の中で1位に輝いています。他の同種のランキングでは小売部門で7年連続1位に輝いています。
なおウェグマンズは、毎年従業員に 500 万ドル以上の授業料を提供する従業員奨学金プログラムを含む従業員福利厚生プログラムを提供しています。このプログラムが 1984 年に開始されて以来、Wegmans は 44,000人以上の従業員に 1 億3,500 万ドルの奨学金を授与してきました。
この店舗を視察したのは現地時間9月16日、ブルックリン店は9月15日でした。
Wegmansは上の写真の「FOR FASTER CHECKOUT」の下にあるマークのアプリWegmansSCANを9月18日で終了しました。
TechCrunchの記事によると、万引きロスの増加が原因だそうです。
私は小売業が人件費削減を目的に来店客に自分のスマホで商品バーコードをスキャンさせるScan&Goアプリは万引き防止ができずに失敗するという持論をもっています。
また、一つそれが証明された事例でした。