このページで記載するのは、Westbury地区で地図上でチックフィレのある東からホールフーズのある西までです。
Walgreens は店頭で帯状疱疹の啓蒙
実質初日の視察は、チックフィレの向かいにあるドラッグストアWalgreens(店名はWalgreens、企業名はWalgreen)からでした。
日本では、安さが売りのドラッグストア企業各社ですが、アメリカの2大ドラッグストアWalgreen、CVSヘルスの 2社ともに店舗売上の75%が調剤というヘルスケアカンパニーです。調剤を利用する機会を作るために近隣住民に便利な食品・雑貨の品揃えをしているという形態です。
Walgreenはアメリカに8,600店舗(2021年)あり、アメリカの小売業で6位の年商108.34billionn$(145円換算で約15.7兆円)の企業です。日本のドラッグストアを全部合わせても、さらに2倍ほどの規模です。
店舗入ってすぐの手拭き&ゴミ箱には50歳を超えるとリスクが増す帯状疱疹について、薬剤師と相談するためのQRコードが大きく表示されていました。
店舗自体は3年前と大きく変化がありませんでしたが、食品系PBの展開が強化されていました。
Amazon専用配送車
街中で多く見かけたのが、Amazonの配送車です。ガーデンシティの近くに配送拠点があるということで、最大5台連続で見かけた時は圧巻でした。
日本でも大きな事業規模のAmazonですが、小売業年商の2/3は本国アメリカで稼いでいます。
アメリカの小売業で2位の年商217.79billionn$(145円換算で約31.6兆円)、世界での小売売上高は年商329.69billionn$(145円換算で約47.8兆円)とこちらも世界2位(Fortune500より)です。
なお、AmazonはWholefoods Marketの買収もあり実店舗もアメリカに557店舗(2021年)あります。
Trader Joe’s
Trader Joe’s とALDIの関係
1958年、ジョー・コロンビー(Joe Coulombe)が創業したTrader Joe`sはバイヤーが世界各地から仕入れて自社物流・パッケージしたPB商品が売上の9割を占める食品等の販売店で、高品質・低価格で多くのリピーターを獲得しています。私も大ファンでお土産はほぼトレーダー・ジョーズで購入しています。
トレーダー・ジョーズは、今回の視察でも行ったドイツ資本のアソートメントストアAlDI傘下です。ALDIの親会社はAldi Einkaufといい、ドイツで2人の兄弟(カール・アルブレヒトとテオ・アルブレヒト)が創設しました。ちなみにALDIは “ALbrecht DIscount”の略です。
煙草の販売に関して兄弟で揉めたことで会社を二つに分け、カールがAldi Sud、テオがAldi Nordを所有することになりました。
経緯としては、1979年にテオ・アルブレヒトがTrader Joe`sに出資して社主となり(1988年までCEOはジョー)、2010年に亡くなると遺族が継承しました。テオ・アルブレヒトの遺族はALDI Nord を所有していますので、一つになったわけです。
魅力的な商品・展開
3年ぶりのトレジョ。魅力的な商品やPOPは相変わらずです。
トレーダー・ジョーズのPOPは全て手書きであり、店で採用する段階でデザインの得意な人を積極的に採用しています。新商品が出ると、従業員は試食をしてから店頭に並ぶということで、一人一人の商品知識がしっかりしています。
変わったと感じたのは、食品の構成です。
プラントベース(植物素材)の食品が増えていました。一方、以前ほどグルテンフリーのアピールはなかった印象で、これは他の食品店舗も同様です。
この店舗では、個人的なお土産定番のHAND SANITIZER SPRAY、スモークド アーモンドとアラガンオイル、保冷エコバッグを購入しました。残念ながらWestburyの店舗はワインを販売していない店舗でした。
HAND SANITIZER SPRAY は非常に爽やかな香りがして手頃なサイズです。何といってもエタノール濃度が74%もあるので、除菌効果が十分期待できます。
The Container Store
収納と整頓という切り口で展開するホームファッションストア。
日本人の目からすると、無印良品やニトリの方が正直魅力的ですが、大型ホームセンターを補完するコンセプトがアメリカでは受けているのかもしれません。
店内を一周しただけですが、やたら店員さんに「何か、手伝いましょうか?」と言われたのが印象的です。アメリカの量販店ではあまりないタイプの接客です。
Walmart
Walmartはアメリカに5,326店舗(2021年)あり、アメリカの小売業1位の年商459.51billionn$(145円換算で約66.6兆円)の企業です。もちろん世界最大の小売業で世界売上は546.89billionn$(145円換算で約79.2兆円)あります。
Westburyの店舗は、世界最大の小売業Walmartの標準的な店舗でした。それだけにコロナ禍前との比較が出来ました。
バスを降りたTrader Joe`sから集合場所のWholeFoods Marketに行く方向と逆方向だったのもあり、この店舗を見たのは視察団で私だけです。
庭などでも気軽に使えるアウトドアグリルが良く売れている様子でした。
9月中旬なので、ハロウィンお菓子山積みです。これを売り切る販売力がウォルマート。
Walmartに限らず、大型店の調剤薬局併設は標準装備になっている印象。
セルフレジを基本としたレジレイアウトになっていました。
Walmartアプリの正常進化
アプリを使って買い物してみると、買い物リストから商品の陳列場所への誘導がスムーズです。
3年前はバーチャル機能など多機能なものを多くリリースしていましたが、BOPISを含めた実利用される機能を使いやすくする方向に正常進化している印象です。
ULTA BEAUTY
ULTA BEAUTYはアプリを軸として、組み合わせ購入した品々のデータなどをAIで分析し、顧客一人一人にパーソナライズした様々なプロモーションやロイヤリティ・プログラムなどで業績を伸ばしていている化粧品小売業であり、「世界で最も成長の早い企業上位20 社」「この10 年で最良の小売業界株」「10 代のナンバーワンの美容の目的地」と評される急成長企業です。
2020年から2021年への売上高成長率が40.2%とまさに急成長しています。
ULTA BEAUTYは1,308店舗(2021年)あり、アメリカの小売業52位の年商8.63billionn$(145円換算で約1.2兆円)の企業です。
近年はTarget店内への出店をはじめ実店舗チャネルを拡大しており、今回の視察でも再三ULTA BEAUTYの出店を確認しました。
ULTA BEAUTYのような企業については、現地でアプリを使い続けてパーソナライゼーションの快適性を体験している生活者にヒアリングなどをしないと、店頭だけを見ても本質が掴めないものです。ましてやターゲットでない中年のおっさんでは難しいです。
Whole Foods Market
Amazonに買収された自然食品スーパーのWhole Foods Marketは買収直後の3〜4年前に視察した時に出ていたAmazon色が劇的になくなっていました。ネットスーパー部分を除くと、一部青果のプライム会員特価表示とAmazon.com返品受入れをしていることくらいです。
Amazonに代わってアピールされていたのは、地場LOCAL商品です。
ネットスーパー部分はAmazon fleshの流れとなっており、使われているバッグなども同じものでした。