サステナビリティ(Sustainability)|小売DX用語

「サステナビリティ」とは

サステナビリティとは、将来の世代が必要とする資源を損なうことなく、現在の社会・経済活動を維持していく考え方です。 英語の「Sustainability」は「持続可能性」と訳され、環境保全・社会的公正・経済成長の3つを両立させることを目指します。

小売業においてサステナビリティは、単なる社会貢献活動ではなくなりました。食品ロスの削減、プラスチック包装の見直し、CO2排出量の管理など、事業活動そのものに組み込むべきテーマとして認識されています。

2015年に国連が採択したSDGs(持続可能な開発目標)を契機に、企業の取り組みは加速しました。日本では2020年代に入り、投資家がESG(環境・社会・ガバナンス)評価を重視するようになったことで、小売業も具体的な数値目標と行動計画を求められるようになっています。

「サステナビリティ」の重要性

サステナビリティへの取り組みは、小売業の競争力を左右する経営課題です。 環境規制の強化、消費者意識の変化、サプライチェーンリスクの3つの観点から、その重要性が増しています。

消費者のエシカル消費(倫理的消費)への関心が高まっています。 消費者庁の調査によると、エシカル消費を意識する消費者の割合は年々増加傾向にあります。環境配慮型の商品やフェアトレード製品を選ぶ消費者は、とくに若年層を中心に拡大しています。こうした購買行動の変化に対応できない企業は、顧客離れのリスクを抱えます。

スコープ3(サプライチェーン全体の排出量)への対応が求められています。 小売業のCO2排出量の大半は、自社の直接排出(スコープ1・2)ではなく、仕入先の製造過程や物流、消費者の商品使用・廃棄段階に由来します。このスコープ3の把握と削減が、取引先からも求められるようになっています。

業態ごとに優先課題は異なります。 スーパーマーケット(SM)では食品ロス削減が最大のテーマです。日本の食品ロスの約半分は事業系から発生しており、SMの取り組みが社会全体に与える影響は大きいです。ドラッグストア(DgS)では、プラスチック容器の削減やPB商品のパッケージ見直しが進んでいます。コンビニエンスストア(CVS)では、24時間営業に伴うエネルギー消費の最適化や、消費期限切れ商品の廃棄削減が課題です。

「サステナビリティ」とIT活用

DX(デジタル技術の活用)は、サステナビリティの取り組みを「見える化」し、成果を加速させる手段です。 感覚的な取り組みから、データに基づく科学的なアプローチへと変えていく原動力がITにあります。

CO2排出量の可視化にデータ基盤が不可欠です。 サプライチェーン全体のスコープ3排出量を算出するには、仕入データ、物流データ、エネルギー使用量など膨大な情報を統合する必要があります。データドリブンな経営基盤を整えることで、排出量のホットスポット(集中箇所)を特定し、効果的な削減策を打てるようになります。

AIによる需要予測が食品ロス削減に直結します。 POSデータ、天候、曜日、イベント情報などを組み合わせた需要予測により、発注精度を高められます。あるSMチェーンでは、AI需要予測の導入により惣菜部門の廃棄を約30%削減した事例があります。値引きのタイミングや幅をAIが提案するダイナミックプライシングも、廃棄削減に有効な手法です。

エネルギー管理システム(EMS)で店舗の省エネを実現します。 IoTセンサーで店内の温湿度や来客数をリアルタイムに計測し、空調や照明を自動制御する仕組みが広がっています。CVSでは、冷蔵ショーケースのAI制御により電力消費を10〜15%削減した実績もあります。

電子レシートやペーパーレス化もサステナビリティに貢献します。 紙レシートの発行削減は、紙資源の節約だけでなく、顧客データのデジタル化にもつながります。一石二鳥の施策として導入が進んでいます。

まとめ

サステナビリティは、小売業にとって「コスト」ではなく「投資」です。食品ロス削減はコスト削減に、環境配慮型商品はブランド価値向上に、データによる排出量管理は取引先との信頼構築につながります。まずは自社の排出量や廃棄量を「測る」ことから始めてみてください。ITを活用した可視化が、具体的な改善への第一歩になります。


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