ラストワンマイル(Last One Mile)|小売DX用語

「ラストワンマイル」とは

ラストワンマイルとは、物流の最終拠点から消費者の自宅や受取場所まで商品を届ける「最後の1区間」を指す物流用語です。 もともと通信業界で使われていた言葉ですが、現在はECや小売業界で広く使われています。具体的には、配送センターや店舗から、お客様の玄関先までの配送プロセスのことです。

この区間は、配送コスト全体の約50%を占めるとされています。 個別の届け先に1件ずつ届ける必要があるため、幹線輸送と比べて効率が大きく下がります。国土交通省の調査によると、2023年度の宅配便取扱個数は約50億個に達し、物流現場への負荷は年々増大しています。

「ラストワンマイル」の重要性

ラストワンマイルは、顧客満足度と物流コストの両方を左右する最重要テーマです。 配送のスピードや柔軟性は、消費者の購買決定に直結します。「翌日届く」「時間指定ができる」といった配送品質が、小売企業の競争力を大きく左右する時代になりました。

再配達問題は、ラストワンマイルの最大の課題です。 国土交通省の調査では、宅配便の再配達率は約11%(2023年10月時点)に上ります。再配達1回あたりの追加コストは約200〜400円とされ、年間で数百億円規模のロスが発生しています。ドライバー不足が深刻化する中、この非効率は業界全体の持続可能性を脅かしています。

業態ごとに、ラストワンマイルの課題は異なります。 スーパーマーケット(SM)ではネットスーパーの配送効率が課題です。生鮮品を含むため温度管理が必要で、配送コストが高くなりがちです。コンビニエンスストア(CVS)は受取拠点としての役割が拡大しています。ドラッグストア(DgS)は日用品の定期配送ニーズへの対応が求められています。

「ラストワンマイル」とIT活用

DXの力で、ラストワンマイルの効率は大きく改善できます。 AIを活用した配送ルート最適化は、その代表例です。配送先の位置情報、交通状況、時間帯指定をAIが分析し、最も効率的なルートを自動で算出します。これにより、1台あたりの配送件数を20〜30%向上させた事例も報告されています。

置き配の普及は、再配達問題を解決する有力な手段です。 スマートロックや配送ボックス、写真撮影による配達証明など、ITを組み合わせることで安全性を確保しながら不在時の受け取りを可能にします。置き配の導入により、再配達率を大幅に削減できます。

BOPIS(Buy Online Pick-up In Store)は、ラストワンマイルの負担をゼロにする手法です。 お客様がオンラインで注文し、店舗で受け取る仕組みにより、配送コストを完全に削減できます。これはオムニチャネル戦略の一環として、多くの小売企業が導入を進めています。在庫管理システムとの連携により、店舗在庫をリアルタイムで把握し、確実な受け取りを実現します。

サプライチェーン全体の可視化も重要です。 SCMシステムとラストワンマイルの配送管理を統合することで、倉庫から消費者までの一気通貫の最適化が可能になります。リアルタイムの配送追跡や、到着予測時刻の通知は、顧客体験の向上にも直結します。

まとめ

ラストワンマイルは、小売業の競争力を左右する物流の最終関門です。再配達の削減、置き配やBOPISの導入、AIによるルート最適化など、テクノロジーを活用した改善手法は数多くあります。2024年問題(ドライバーの時間外労働規制強化)を背景に、この領域への投資は今後さらに加速するでしょう。まずは自社の配送データを分析し、どこにボトルネックがあるかを把握するところから始めてみてください。


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