レコメンデーション(Recommendation)|小売DX用語

「レコメンデーション」とは

レコメンデーションとは、顧客一人ひとりに合った商品やサービスを自動的に提案する仕組みです。 日本語では「おすすめ」や「推薦」と訳されます。ECサイトで目にする「この商品を買った人はこんな商品も買っています」という表示が、その代表例です。

レコメンデーションの手法は大きく2つに分かれます。1つ目は「協調フィルタリング」です。これは、似た購買パターンを持つ顧客同士のデータを照らし合わせて、まだ買っていない商品を提案する方法です。Amazonの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」がこの手法にあたります。

2つ目は「コンテンツベースフィルタリング」です。こちらは商品の属性(カテゴリ、価格帯、成分など)に着目し、過去に購入した商品と似た特徴を持つ商品を提案します。購買頻度が5〜10年に一度の大型家電などを買ったすぐ後に同種商品のレコメンドが出るのは的外れなのですが、単にシステムを入れただけの事業者では起こりがちです。肝心なのは運用です。

実際の現場では、この2つを組み合わせた「ハイブリッド型」が主流です。さらに近年は、AI(人工知能)を活用したディープラーニング(深層学習)による高精度なレコメンデーションも広がっています。

「レコメンデーション」の重要性

レコメンデーションは、売上向上と顧客満足の両方を実現する施策です。 適切な提案が買い物の利便性を高め、購買単価の向上につながります。

ECでは売上の大きな割合を占めています。 Amazonでは売上の約35%がレコメンデーション経由だといわれています。膨大な商品の中から顧客が自力で最適な商品を見つけるのは困難です。レコメンデーションが「選びやすさ」を提供し、購入の後押しをしています。

パーソナライゼーションの中核を担います。 顧客ごとに異なる提案を行うことで、「自分のことを理解してくれている」という信頼感が生まれます。この体験が顧客ロイヤルティを高め、リピート購入を促進します。画一的なチラシ配布と比べ、反応率が数倍になるケースも珍しくありません。

業態ごとに活用の場面は異なります。 スーパーマーケット(SM)では、購買履歴に基づく献立提案や関連食材のレコメンドが有効です。ドラッグストア(DgS)では、購入したサプリメントに合わせた健康食品の提案や、化粧品のクロスセル(関連商品の追加購入促進)に活用できます。コンビニエンスストア(CVS)では、アプリを通じた新商品の提案やクーポン配信が来店動機の強化につながります。

「レコメンデーション」とIT活用

レコメンデーションの精度を高めるには、データ基盤の整備が不可欠です。 提案の質は、元となるデータの質と量に直結します。

ID-POSデータが実店舗レコメンドの鍵です。 ID-POSは、誰が・いつ・何を買ったかを個人単位で記録します。このデータを分析することで、「毎週土曜に食パンを買う顧客に、新発売のジャムを提案する」といった精度の高いレコメンドが可能になります。ポイントカードやアプリ会員と紐づけることで、実店舗でもECに近い提案が実現します。

アプリクーポンで実店舗にレコメンドを届けます。 ECサイトでは画面上にレコメンド商品を表示できますが、実店舗ではそれができません。そこで活用されるのがスマートフォンアプリです。来店前にアプリで個別クーポンを配信し、店舗での購買を促進します。購買データをCRM(顧客管理システム)に蓄積し、次回のレコメンド精度をさらに高める循環が生まれます。

ECサイトでは表示位置と手法の最適化が重要です。 商品詳細ページ、カート画面、メール配信など、顧客接点ごとに最適なレコメンドは異なります。商品詳細ページでは「一緒に購入されている商品」、カート画面では「あと1点で送料無料」といった文脈に合わせた提案が効果を発揮します。A/Bテスト(2パターンを比較して効果を検証する手法)で継続的に改善することが大切です。

AIの進化でリアルタイムレコメンドが進んでいます。 従来は過去の購買データに基づく提案が中心でしたが、現在は閲覧中の行動データをリアルタイムに分析し、その場で最適な提案を生成する技術が普及しつつあります。天候や時間帯といった外部データを加味した提案も可能になっています。

まとめ

レコメンデーションは、顧客に「自分に合った商品」を届け、買い物体験を向上させる仕組みです。ECでは既に売上の柱となっており、実店舗でもアプリやID-POSを通じた活用が広がっています。まずは自社の購買データを整理し、どの顧客接点でレコメンドを提供するかを検討してみてください。小さく始めて効果を検証しながら、段階的に精度を高めていくことが成功への近道です。


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