「プラノグラム」とは
プラノグラム(Planogram)とは、商品を棚のどこに・何フェース・何段で並べるかを図面として可視化した棚割りの設計図です。 「棚割り図」「棚割り表」とも呼ばれ、英語の略称では POG と表記されることもあります。
混同されやすい「棚割り」との関係を整理します。棚割りは、商品の配置を計画・実行・検証する活動全体を指す言葉です。 一方、プラノグラムはその活動の中で作成される「設計図・図面そのもの」を意味します。たとえるなら、棚割りが「家を建てるプロジェクト全体」だとすれば、プラノグラムは「設計図面」にあたります。
「棚割りソフト」として提供されているサービスの大部分はプラノグラムソフトであって、棚割りの全領域をカバーするものでないことが多いです。
プラノグラムには通常、以下の情報が含まれます。
- 商品ごとの棚位置(段数・左右の並び順)
- フェース数(商品が正面を向いている列数)
- 棚の奥行き方向の在庫数量
- SKUごとの商品画像やJANコード
「プラノグラム」の重要性
プラノグラムは、売場の生産性を左右する最も基本的な管理ツールです。 適切なプラノグラムがなければ、担当者の経験と勘に依存した陳列になり、売場の再現性が失われます。
業態別に見ると、その重要度と運用方法には明確な違いがあります。
- スーパーマーケット(SM): 生鮮を除く加工食品・日配品を中心に、数百〜数千SKUの棚割りをプラノグラムで管理します。定番棚の改廃サイクルは年2〜4回が一般的で、カテゴリーごとに売上構成比に応じたスペース配分を行います。
- ドラッグストア(DgS): 医薬品・化粧品・日用品と取扱カテゴリーが幅広く、1店舗あたり1万SKU以上を扱うケースも珍しくありません。メーカーとの共同MD(商品政策)でプラノグラムを作成する場面が多いのが特徴です。逆にいうとメーカー依存度が高く、各社の独自性が低いともいえます。
- コンビニエンスストア(CVS): 売場面積が限られるため、1フェースの採否が売上に直結します。本部主導で週次・月次の棚替え指示がプラノグラムとして各店に配信されます。フランチャイズビジネスなので、最終決定はオーナーが行います。
「プラノグラム」とIT活用
DXの進展により、プラノグラムは「紙の図面」から「データ駆動の最適化ツール」へと進化しています。
POSデータ連携による自動最適化
POSデータと連携したプラノグラムソフトを使えば、商品ごとの販売実績にもとづいてフェース数やスペース配分を自動で算出できます。従来、熟練バイヤーが数日かけていた棚割り作業を、数時間に短縮した企業もあります。ABC分析の結果をそのまま棚割りに反映させることで、売れ筋商品に適切なスペースを確保できます。
AIによる棚割り提案
AIを活用した次世代のプラノグラムシステムでは、売上データ・客動線・商品の関連購買パターンを分析し、最適な陳列パターンを自動提案します。たとえば「この調味料の横に関連食材を配置すると、バスケット単価(買い物1回あたりの購入金額)が8%向上する」といった提案が可能になっています。
画像認識による棚割り実行管理
プラノグラムを作成しても、店頭で正しく実行されなければ意味がありません。近年はスマートフォンやカメラで棚を撮影し、画像認識技術でプラノグラムどおりに陳列されているかを自動判定するシステムが普及しつつあります。コンプライアンス率(指示どおりの実行率)を数値で把握できるため、本部と店舗の間の指示精度が格段に上がります。
カテゴリーマネジメントとの連動
プラノグラムはカテゴリーマネジメントを現場に落とし込む「実行装置」でもあります。 カテゴリー戦略で決めた品揃え方針・スペース配分をプラノグラムという形で可視化し、全店に展開することで、戦略と売場の一貫性が保たれます。商品回転率の改善を図るうえでも、プラノグラムの見直しは欠かせないステップです。
まとめ
プラノグラムは、商品の棚位置・フェース数・在庫量を図面化した棚割りの設計図です。SMでは定番棚の効率管理、DgSではメーカー協業のMD推進、CVSでは本部指示の標準化と、業態ごとに異なる役割を担っています。DXの進展により、POSデータ連携やAI提案、画像認識による実行管理など、プラノグラムの活用範囲は急速に広がっています。まずは自社の主要カテゴリーで、販売データにもとづくプラノグラムの見直しから始めてみてください。
関連用語: