マーケットプレイス(Marketplace)|小売DX用語

「マーケットプレイス」とは

マーケットプレイスとは、プラットフォーム運営者が「場」を提供し、複数の売り手(セラー)がその場を通じて消費者に商品を販売する仕組みです。英語では「Marketplace」と表記します。身近な例では、Amazonマーケットプレイスや楽天市場がこの形態にあたります。

マーケットプレイスを理解するうえで重要なのが、1P(ファーストパーティ)モデルと3P(サードパーティ)モデルの違いです。1Pモデルでは、プラットフォーム運営者自身が商品を仕入れて販売します。Amazonが直接販売する「Amazon.co.jp が販売、発送します」の表示がこれにあたります。一方、3Pモデルでは外部の事業者がプラットフォーム上に出店し、自ら商品を販売します。多くのマーケットプレイスでは、1Pと3Pが共存しています。

よく混同される「ECモール」との違いも整理しておきます。ECモール(電子商店街)はテナント型の出店形式で、各店舗が独自のページを持ちます。マーケットプレイスは商品単位で出品する形式が基本です。楽天市場はECモール型、Amazonは商品カタログ型のマーケットプレイスといえます。ただし近年は両者の境界はあいまいになっています。

「マーケットプレイス」の重要性

マーケットプレイスは小売業のデジタル戦略において、避けて通れない販売チャネルとなっています。

国内EC市場の成長を牽引しています。 経済産業省の調査によると、2024年の日本国内BtoC-EC市場規模は約24.8兆円に達しました。このうちAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングの大手3社が物販系ECの大部分を占めています。小売企業にとって、自社ECだけでなくマーケットプレイスへの出品は売上拡大の重要な手段です。

新規顧客の獲得コストを抑えられます。 自社ECサイトを立ち上げて集客するには、SEO対策や広告費に多額の投資が必要です。マーケットプレイスにはすでに数千万人規模の会員基盤があるため、出品するだけで多くの潜在顧客にリーチできます。とくに認知度の低いブランドやPB(プライベートブランド)商品の市場テストに有効です。

業態によって活用方法が異なります。 スーパーマーケット(SM)では、Amazonフレッシュや楽天西友ネットスーパーなど、生鮮食品を扱うマーケットプレイス連携が進んでいます。ドラッグストア(DgS)では、日用品や化粧品のマーケットプレイス出品で、店舗商圏外の顧客を獲得する動きがあります。コンビニエンスストア(CVS)では、Uber Eatsなどのデリバリーマーケットプレイスとの連携で即時配達を実現しています。

「マーケットプレイス」とIT活用

マーケットプレイスを効果的に運用するには、複数のシステム連携が不可欠です。

商品情報管理(PIM)の整備が出発点です。 複数のマーケットプレイスに出品する場合、商品名・説明文・画像・価格をプラットフォームごとに最適化する必要があります。PIM(Product Information Management)を導入すれば、一元管理した商品データを各マーケットプレイスのフォーマットに自動変換して配信できます。

在庫と受注の一元管理が収益を左右します。 自社EC、Amazon、楽天市場など複数チャネルの在庫をリアルタイムで同期しなければ、売り越し(在庫切れなのに受注してしまうこと)が発生します。OMS(注文管理システム)と連携した在庫管理により、オムニチャネルでの在庫最適化が可能になります。

フルフィルメントサービスの活用が競争力を高めます。 AmazonのFBA(Fulfillment by Amazon)に代表されるように、マーケットプレイスが提供する物流代行サービスを利用すれば、保管・梱包・出荷・返品対応を一括して委託できます。自社の物流体制が整っていない中小小売業にとって、即座にEC販売を開始できる手段となります。

リテールメディアとしての広告活用も拡大しています。 Amazonスポンサー広告や楽天市場内広告など、マーケットプレイス上の広告は購買意欲の高いユーザーに直接リーチできます。DXの一環として、広告費対効果(ROAS)をデータで可視化し、投資判断を行う企業が増えています。

越境ECへの展開も容易になります。 Amazon Global SellingやeBayなどを活用すれば、海外向けのサプライチェーンを自前で構築しなくても、海外市場への販売を始められます。翻訳ツールや国際配送の仕組みもプラットフォーム側が用意しているため、参入障壁が下がっています。

まとめ

マーケットプレイスは、小売企業にとって自社ECや実店舗と並ぶ重要な販売チャネルです。既存の巨大な顧客基盤を活かせる点、物流や決済のインフラを利用できる点が大きな強みです。まずは主力商品を1つのマーケットプレイスに出品し、データを蓄積するところから始めましょう。そのうえで、複数プラットフォームへの展開やD2C(自社直販)との使い分けを検討することをおすすめします。


関連用語:

CONTACT

DXのお悩み、
代表が直接お答えします


相談はこちら →

最新情報をチェックしよう!

ま行の最新記事8件