配送(Delivery)|小売DX用語

「配送」とは

配送とは、物流プロセスの最終段階として、商品を届け先まで届ける工程のことです。

小売業においては大きく2つの文脈があります。1つは物流センターから店舗へ商品を届ける「店舗配送」、もう1つはネットスーパーやEC(電子商取引)で消費者の自宅へ届ける「顧客配送」です。

英語では「Delivery」と表記し、日本語の「物流」や「輸送」とほぼ同義で使われることもあります。ただし厳密には、輸送が拠点間の大量移動を指すのに対し、配送は最終届け先への小口輸送を意味します。

近年はネットスーパーや即時配達サービスの普及により、消費者に直接届ける「ラストワンマイル配送」の重要性が急速に高まっています。

「配送」の重要性

配送は、小売業の競争力を左右する重要な経営課題です。店舗配送と顧客配送、それぞれの観点から整理します。

店舗配送の重要性

スーパーマーケット(SM)やドラッグストア(DgS)では、物流センターから各店舗へ商品を届ける配送の効率が、欠品率や在庫コストに直結します。多頻度少量配送を実現すれば店舗のバックヤードを縮小でき、売場面積を広げることが可能です。コンビニエンスストア(CVS)では1日3回以上の配送体制を敷くチェーンもあり、鮮度管理と品揃えの維持に配送が不可欠となっています。

顧客配送の重要性

消費者へ直接届ける配送は、EC・ネットスーパー事業の成否を握ります。ラストワンマイル(届け先までの最後の区間)のコストは物流費全体の約50%を占めるとされ、採算確保が最大の課題です。

2024年問題の影響

2024年4月から施行されたトラックドライバーの時間外労働上限規制、いわゆる「2024年問題」により、配送能力の不足が現実化しています。野村総合研究所の推計では、2030年には輸送能力が約35%不足する可能性があるとされています。小売業にとって配送体制の再構築は喫緊の課題です。

「配送」とIT活用

**デジタル技術の活用が、配送の効率化とコスト削減のカギを握っています。**主要なIT活用領域を紹介します。

配車・ルート最適化

AIを活用した配車計画システムは、配送先の位置情報・時間指定・荷量を考慮し、最適なルートを自動算出します。これにより走行距離の削減と配送件数の増加を同時に実現できます。ある大手SMでは、AI配車の導入によりトラック台数を約15%削減した事例もあります。

ダークストアとMFC

ダークストア(一般客が入れない配送専用店舗)やMFC(マイクロフルフィルメントセンター、小型の自動倉庫)は、顧客配送のスピードとコストを改善する新しい拠点モデルです。店舗の一角にMFCを併設し、注文からピッキング・梱包・配送までの時間を大幅に短縮する取り組みが国内外で広がっています。

リアルタイム追跡と顧客体験

配送状況をリアルタイムで顧客に通知する仕組みは、再配達率の低減と顧客満足度の向上に貢献します。GPSとスマートフォンアプリを連携させ、「あと何分で届くか」を可視化するサービスはCVS系の即時配達で標準化しつつあります。

サプライチェーン全体の連携

配送の最適化は、単独では限界があります。サプライチェーン(供給網)全体で需要予測・在庫管理・発注と連動させることで、配送回数そのものを減らす取り組みも重要です。ECと実店舗の在庫を一元管理するオムニチャネル戦略は、配送効率の改善にも寄与します。

まとめ

配送は小売業の店舗運営とEC事業の双方を支える重要な物流機能です。2024年問題による人手不足やラストワンマイルのコスト課題に対し、AI配車やMFCといったデジタル技術の導入が解決策となります。まずは自社の配送コスト構造を可視化し、テクノロジーで改善できるポイントを洗い出すことから始めてみてください。


関連用語:

CONTACT

DXのお悩み、
代表が直接お答えします


相談はこちら →

最新情報をチェックしよう!

は行の最新記事8件