ブラジル薬局ランキングTOP5|RD Saúde・DPSP・Pague Menos

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ブラジル薬局ランキングTOP5|RD Saúde・DPSP・Pague Menos

目次

この記事の要点|ブラジル薬局TOP3はこれだ

ブラジルの薬局市場で売上・店舗数の両面から見た上位3社は、次の3社です。

  1. RD Saúde(旧Raia Drogasil) — 3,230店、売上417.8億BRL、業界最大手
  2. DPSP(Drogarias Pacheco São Paulo) — 1,613店、推定売上140億BRL、売上2位
  3. Pague Menos — 1,649店、売上136億BRL、店舗数2位

順位の根拠は売上と店舗数の両方です。

なお、DPSPについては「FEMSA系」とする情報が散見されますが、2026年6月時点でFEMSAによるDPSP買収完了を示す一次情報は確認できません。
FEMSAは中南米の薬局事業を展開していますが、ブラジルDPSPの親会社とは断定しない方が安全です。

ランキング再精査の結論

ブラジル薬局ランキングは、次のように整理するのが妥当です。

Abrafarmaの2024年ランキングでは、売上上位はRD Saúde、DPSP、Pague Menos、Farmácias São João、Panvelです。
したがって、当初候補にあったProfarmaはTOP5本文の主ランキングから外し、「卸+小売の注目企業」として扱うのが望ましいです。

ブラジル薬局TOP5ランキング一覧表

順位 企業名 主なブランド 店舗数 売上・規模 DX施策
1 RD Saúde Raia、Drogasil 3,230店 417.8億BRL、約1.30兆円 自社アプリ、マーケットプレイス、Stix、薬局内ヘルスサービス
2 DPSP Drogaria São Paulo、Drogarias Pacheco 1,613店 約140億BRL、約4,340億円 1時間配送、アプリ、店舗ハブ、PB「Ever」
3 Pague Menos Pague Menos、Extrafarma 1,649店 136億BRL、約4,220億円 Clinic Farma、オムニチャネル、Extrafarma統合
4 Farmácias São João São João 1,100店超 2024年売上80億BRL超見込み 南部地盤、オンライン強化
5 Panvel Panvel 659店超 59億BRL、約1,830億円 アプリ、即配、Panvel Clinic、生成AI「Sofia」

為替は1BRL=約31円で概算しました。
売上の円換算は目安です。

ブラジル薬局市場概況

ブラジルは中南米最大級の薬局市場です。

Abrafarma加盟チェーンは2024年に1,031.4億BRLを売り上げ、前年比14.2%成長しました。
加盟チェーンの店舗数は11,244店です。
大手チェーンは国内全薬局店舗数の一部にすぎませんが、医薬品販売額では大きな比率を占めます。

別データでは、ブラジル全体の薬局小売市場は2023年に1,990億BRL規模とされます。
2024年時点では大手チェーン売上が1,000億BRLを超え、独立薬局から大手チェーンへのシェア移転が進んでいます。

構造は3層です。

  1. 全国チェーン
    RD Saúde、Pague Menos、DPSPなどです。
  2. 地域強者
    Farmácias São João、Panvel、Nissei、Araujoなどです。
  3. 独立薬局
    店舗数は多い一方、価格・在庫・デジタル投資で大手に劣後しやすい構造です。

都市部では、薬局が医薬品販売だけでなく、検査、ワクチン、健康相談、処方継続支援の拠点になっています。
内陸部では、薬局が一次アクセスの役割を持ちます。

規制|ANVISA、ジェネリック、処方箋管理

ブラジル薬局市場を見る上で、規制理解は必須です。

ANVISA

ANVISAはブラジル国家衛生監督庁です。
医薬品、薬局、検査、ワクチン、処方薬の管理を担います。

2023年のRDC 786/2023により、薬局で実施できる臨床検査サービスの範囲が整理されました。
これにより、薬局内の迅速検査、スクリーニング、ヘルスケアサービス拡大が進みました。

ジェネリック

ブラジルでは1999年のジェネリック医薬品法により、ジェネリック制度が整備されました。
薬剤師による代替調剤の考え方も市場に定着しています。

ジェネリックは単なる低価格品ではありません。
大手チェーンにとっては、価格訴求、粗利改善を支えるカテゴリです。

処方箋管理

抗菌薬、向精神薬、管理薬などは処方箋管理の対象です。
ANVISAのSNGPCは、管理対象商品の電子的な流通・販売管理を担います。

近年はGLP-1関連薬などの需要増により、処方箋保持や販売管理の強化も進んでいます。
薬局は「売る場所」から「規制を前提に安全に供給する場所」へ変わっています。

第1位:RD Saúde(旧Raia Drogasil)

第1位:RD Saúde(旧Raia Drogasil)

RD Saúdeはブラジル最大の薬局チェーンです。
旧社名はRaia Drogasilです。

2024年に企業ブランドをRD Saúdeへ変更しました。
「薬局チェーン」から「ヘルスケア・エコシステム」への拡張を示すリブランディングです。

2024年末の店舗数は3,230店です。
売上は417.8億BRLです。
日本円換算では約1.30兆円です。

同社は2011年にDroga RaiaとDrogasilが合併して成立しました。
以後、店舗網、調剤、OTC、HBC、デジタルを一体で伸ばしてきました。

デジタル売上は2024年に71億BRLです。
デジタル比率は総売上の17%です。
アプリとWebの訪問数は6.214億回です。

強みは3つです。

  1. 店舗密度
    全州に3,230店を持ちます。
  2. デジタル連携
    アプリ、Web、マーケットプレイス、配送を店舗在庫と接続しています。
  3. ヘルスケア拡張
    薬局内サービス「Espaço Mais Saúde」を2,442店に展開しています。

ロイヤリティではStixを活用します。
StixはGPAとの連携で始まったリテール横断型のポイント連合です。
RD Saúdeは購買データ、健康プログラム、サブスクを組み合わせ、LTV最大化を狙っています。

日本企業への示唆は明確です。
店舗数の拡大だけではなく、薬剤師サービス、アプリ、サブスク、リテールメディアを同じKPIで動かしている点です。

RD saude

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第2位:DPSP(Drogarias Pacheco São Paulo)

第2位:DPSP(Drogarias Pacheco São Paulo)

DPSPは、Drogaria São PauloとDrogarias Pachecoを運営する大手薬局グループです。
2024年末の店舗数は1,613店です。
内訳はDrogaria São Pauloが1,027店、Drogarias Pachecoが586店です。

2024年売上は約140億BRLと報じられています。
日本円換算では約4,340億円です。

DPSPは非上場企業です。
そのため、RD SaúdeやPague Menosより財務開示は限定的です。

一方、2024年のサステナビリティレポートでは、デジタル売上が52%成長したこと、全1,600店超を配送ハブとして活用していることを示しています。
また、ワクチン提供店舗は317店に達しました。

同社の重点は3つです。

  1. サンパウロ内陸部への拡大
    首都圏偏重を修正し、内陸都市への出店を増やしています。
  2. 1時間配送
    店舗を配送拠点化し、スピード配送を強化しています。
  3. PB強化
    Everブランド群を展開し、HBC、ベビー、栄養、ホーム領域を押さえています。

注意点があります。
DPSPをFEMSA子会社と書くのは避けるべきです。

FEMSAがDPSP買収を検討・交渉したとの報道はあります。
しかし、FEMSAの公式年次報告書やDPSPの公式資料では、DPSPをFEMSA傘下と確認できません。
FEMSAは中南米で薬局事業を持ちますが、DPSPとの資本関係は未確認と表記するのが望ましいです。

第3位:Pague Menos

第3位:Pague Menos

Pague Menosはブラジル北部・北東部を地盤とする大手薬局チェーンです。
Extrafarmaの統合により、全国規模の存在感を強めました。

2024年時点の店舗数は1,649店です。
売上は136億BRLです。
日本円換算では約4,220億円です。

店舗数ではDPSPを上回ります。
ただし売上ではDPSPが上位です。
そのため総合順位では3位とするのが妥当です。

同社の差別化はClinic Farmaです。
2024年にはClinic Farmaの相談・サービス件数が620万件に達しました。
アクティブ顧客は2,100万人です。

Extrafarma統合では、システム移行、物流統合、棚割り強化、屋号転換を進めました。
2024年には年率換算で2.67億BRLのシナジーを獲得したとしています。

北部・北東部では、医療アクセスが十分でない地域もあります。
そのため、薬局内ヘルスサービスの価値が高まりやすい市場です。

第4位:Farmácias São João

第4位:Farmácias São João

Farmácias São Joãoは南部ブラジルを代表する薬局チェーンです。
本社はリオグランデ・ド・スル州パッソ・フンドです。

Abrafarmaの2024年ランキングでは、売上で4位です。
店舗数でもRD Saúde、Pague Menos、DPSPに続く上位グループに入ります。

2024年売上は80億BRL超の見込みと報じられています。
2025年には1,250店、売上93億BRLを目指すとの情報もあります。

São Joãoは、全国チェーンというより「地域密度型チェーン」です。
この点は日本の地方有力ドラッグストアに近いです。

第5位:Panvel

第5位:Panvel

PanvelはGrupo Panvelが展開する南部地盤の上場薬局チェーンです。
主な展開地域はリオグランデ・ド・スル、サンタカタリーナ、パラナ、サンパウロです。

2024年時点の店舗数は659店超です。
売上は59億BRLです。
日本円換算では約1,830億円です。

Panvelの特徴は、南部でのブランド力、デジタル比率、ヘルスサービスの早期展開です。
Panvel Clinicを通じて、検査、ワクチン、健康サービスを強化しています。

また、生成AIを活用した薬剤師ガイダンスサービス「Sofia」にも取り組んでいます。
価格管理、品揃え、店内生産性、在庫管理にもAIを使っています。

日本企業が学ぶべき点は、地域チェーンでもDX投資で差別化できることです。
全国トップでなくても、ローカル密度とデジタル接点を合わせれば、収益性を高められます。

ProfarmaはTOP5ではなく「卸+小売の注目企業」

Profarmaは、当初候補ではTOP5に入っていました。
しかし、薬局チェーン売上ランキングではTOP5に入れるより、別枠で扱うのが正確です。

理由は事業構造です。
Profarmaは医薬品卸を中核に持ち、小売はRede d1000として運営しています。
2024年のグループ売上は118億BRLです。
ただし、この数値は卸を含む連結売上です。

小売のRede d1000は276店です。
ブランドはDrogasmil、Farmalife、Drogarias Tamoio、Drogaria Rosárioです。
Abrafarmaランキングでは売上11位、1店当たり売上7位とされています。

つまり、Profarmaは「薬局チェーン規模」ではなく、「卸と小売をつなぐ垂直統合モデル」として見るべき企業です。

FEMSAの文脈|DPSPではなく中南米薬局戦略として理解する

FEMSAはメキシコの大手企業です。
Coca-Cola FEMSA、OXXO、Spinなどを持ちます。
さらにFEMSA Saludとして中南米の薬局事業を展開しています。

2015年にはチリ・コロンビアで薬局を持つGrupo Socofarの過半取得を完了しました。
Cruz Verdeなどが代表的なブランドです。

この文脈から、DPSP買収観測が何度も出ました。
ブラジルは中南米最大市場であり、FEMSAにとって戦略的な空白地帯だからです。

ただし、DPSPがFEMSA傘下になったという一次情報は確認できません。
記事上は「FEMSAのDPSP買収観測」または「FEMSAのブラジル薬局参入可能性」と書くのが望ましいです。

ブラジル薬局DX動向

Pix決済

Pixはブラジル中央銀行が運営する即時決済です。
ブラジルの小売決済を大きく変えました。

薬局にとってPixは、クレジットカード手数料の代替、即時入金、アプリ決済、ロイヤリティ連携の基盤です。
現金、カード、Pixが併存する中で、薬局アプリの決済導線は重要になっています。

即時配達

ブラジルでは、iFood、Rappi、Uber Eatsなどの配達プラットフォームが薬局カテゴリを扱います。
大手チェーンは自社アプリと外部プラットフォームを併用します。

RD Saúdeは自社デジタルチャネルを大きく伸ばしています。
DPSPは1時間配送を強化しています。
Pague Menosはオムニチャネル売上比率を高めています。

店舗ハブ化

ブラジル薬局DXの本質は、EC単体ではありません。
店舗を在庫拠点、受取拠点、配送拠点、検査拠点に変えることです。

これは日本のドラッグストアにも通じます。
店舗数が多い企業ほど、EC倉庫型ではなく「店舗起点のオムニチャネル」が効きます。

テレヘルスとサブスク

RD Saúdeは健康プラットフォーム、服薬継続支援、サブスク、専門薬、調剤ソリューションを拡張しています。
Panvelも薬局内サービスとデジタル相談を組み合わせています。

慢性疾患、継続服薬、ワクチン、検査は、薬局のLTVを高める領域です。
ブラジルでは、医療アクセスの不足が薬局サービスの需要を押し上げています。

日本企業への示唆

1. 薬局は小売からヘルスケア接点へ変わる

RD Saúdeのリブランディングは象徴的です。
薬局チェーン名ではなく、健康企業として再定義しました。

日本でも、調剤、OTC、HBC、検査、健康相談、アプリを分断せずに設計する必要があります。

2. 店舗数はECの弱点ではなく武器になる

ブラジル大手は店舗を配送ハブ化しています。
店舗在庫をアプリに接続し、即配・受取・相談を統合しています。

日本でも、店舗が多いほどラストワンマイルを内製・準内製しやすくなります。

3. Pixのような即時決済は小売KPIを変える

Pixは入金速度、手数料、アプリUXを変えました。
日本で同じ構造が起きるとすれば、コード決済、銀行Pay、デジタル給与、地域通貨の統合です。

決済は会計機能ではありません。
CRM、販促、与信、配送とつながる顧客接点です。

4. ジェネリック制度下でPB戦略が重要になる

ブラジル大手はPB、ジェネリック、HBCを組み合わせています。
価格訴求と粗利確保を両立するためです。

日本でも、PBは単なる利益商品ではありません。
継続購買、棚効率、アプリ販促をつなぐカテゴリ設計が重要です。

5. 地域チェーンにもDX余地がある

PanvelとSão Joãoは、全国最大手ではありません。
しかし、地域密度とデジタルを武器に成長しています。

日本の地方ドラッグストアも同じです。
全国チェーンの模倣ではなく、地域医療・行政・配送・決済との連携が差別化になります。

よくある質問(FAQ)

Q1. ブラジル最大の薬局チェーンはどこですか?

A. RD Saúde(旧Raia Drogasil)です。2024年時点で3,230店、売上417.8億BRLを展開する最大手です。

Q2. ブラジルの薬局TOP3は?

A. RD Saúde、DPSP、Pague Menosです。売上ではRD Saúde、DPSP、Pague Menosの順です。店舗数ではRD Saúde、Pague Menos、DPSPの順です。

Q3. Raia DrogasilとRD Saúdeは同じですか?

A. はい。同じ企業です。2024年にRD Saúdeへリブランディングしました。RaiaとDrogasilの店舗ブランドは継続しています。

Q4. DPSPはFEMSA傘下ですか?

A. 2026年6月時点で、DPSPがFEMSA傘下になったと確認できる一次情報はありません。買収観測はありましたが、記事では「未確認」と扱うのが望ましいです。

Q5. Pague Menosは何位ですか?

A. 売上では3位、店舗数では2位です。Extrafarma統合後、1,649店体制になりました。

Q6. ブラジル薬局市場規模は?

A. Abrafarma加盟チェーンは2024年に1,031.4億BRLを売り上げました。ブラジル全体の薬局小売市場は2023年に1,990億BRL規模と報じられています。

Q7. ブラジルでPix決済は普及していますか?

A. はい。Pixはブラジル中央銀行の即時決済で、国民的な決済手段になっています。薬局アプリ、店頭決済、配送注文との連携余地が大きいです。

Q8. ブラジルに日本のドラッグストアは進出していますか?

A. 現時点で、日本の大手ドラッグストアによる直接的な店舗展開は確認できません。

まとめ

ブラジル薬局市場のTOP3は、RD Saúde、DPSP、Pague Menosです。
この順位は、売上と店舗数の両方で見ても大きく崩れません。

ただし、TOP5では修正が必要です。
Abrafarmaの2024年ランキングに基づくと、4位はFarmácias São João、5位はPanvelです。
Profarmaは卸+小売の垂直統合企業として別枠で見るのが正確です。

ブラジル薬局市場の本質は、店舗網、即時決済、即時配送、薬局内ヘルスサービスの統合です。
日本企業が見るべき論点は、海外市場そのものより、店舗をヘルスケア接点に再定義する経営設計です。

出典

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