「店舗受取」とは
店舗受取(In-Store Pickup)とは、ECサイトやアプリで注文・決済した商品を、配送ではなく実店舗で受け取る購買方式です。BOPIS(Buy Online, Pick-up In Store)やクリック&コレクト(Click and Collect)とも呼ばれます。
消費者にとっては、配送料を節約でき、自分の都合に合わせて受け取れるメリットがあります。「今日中に必要だが、店舗で探す時間がない」というニーズに応える手段として、コロナ禍以降に利用が急拡大しました。
小売企業にとっては、ラストワンマイル(最終拠点から届け先まで)の配送コストを削減できる点が大きなメリットです。さらに、受け取りのために来店した顧客がついで買いをする効果も見込めます。
「店舗受取」の重要性
店舗受取はオムニチャネル戦略の中核を担うサービスとして、業態を問わず重要性が高まっています。
スーパーマーケット(SM)では、ネットスーパーの注文を店舗で受け取る方式が広がっています。配送枠の制約を受けずに商品を入手でき、生鮮食品を自分の目で確認してから持ち帰れるため、鮮度への不安が解消されます。店舗側にとっても配送車両の手配が不要になり、オペレーションコストを抑えられます。
ドラッグストア(DgS)では、処方箋をアプリで事前送信し、調剤済みの医薬品を店舗で受け取るサービスが増えています。待ち時間の短縮が顧客満足度の向上につながり、受け取り時にOTC医薬品(一般用医薬品)や日用品のついで買いも期待できます。
コンビニエンスストア(CVS)は、ECプラットフォーム各社の受取拠点として機能しています。24時間営業という強みを活かし、勤務時間帯に自宅で受け取れない消費者の利便性を支えています。CVS各社のアプリと連動した自社商品の店舗受取サービスも拡充が進んでいます。
「店舗受取」とIT活用
店舗受取を円滑に運営するには、オンラインとオフラインの在庫・注文情報をリアルタイムに連携させるIT基盤が不可欠です。
OMS(注文管理システム)とWMS(倉庫管理システム)の連携が基本です。ECの注文データが店舗のシステムに即座に反映され、スタッフがピッキング(商品取り出し)と梱包を行い、受取準備の完了通知を顧客に送信する一連の流れを自動化します。
リアルタイム在庫管理の精度が成否を分けます。「注文したのに店舗に在庫がなかった」という事態は顧客体験を大きく損ないます。POSデータと在庫データを高頻度で同期し、ECサイト上に表示する店舗別在庫の精度を高める仕組みが必要です。
店舗受取専用のピッキングエリアを設ける運用も広がっています。店頭の売場とは別に、注文商品を一時保管するスペースを確保し、受け取りカウンターやロッカーを設置する形です。受取ロッカーを導入すれば、スタッフの手を借りず顧客が自分でQRコードやPINコードを使って商品を取り出せるため、混雑時のオペレーション負荷を軽減できます。
アプリとの連携による顧客体験の向上も重要です。注文状況のリアルタイム通知、受取可能時間の案内、来店時のチェックイン機能などを組み合わせることで、スムーズな受け取り体験を実現します。
まとめ
店舗受取は、ECの利便性と実店舗の即時性を組み合わせたオムニチャネルの実践形態です。配送コストの削減、ついで買いの促進、顧客体験の向上と、小売企業にとって複数のメリットがあります。まずは自社ECサイトの注文フローに店舗受取の選択肢を追加し、対象店舗を限定した小規模テストから始めてみてはいかがでしょうか。
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