ラストマイル配送(Last Mile Delivery)|小売DX用語

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「ラストマイル配送」とは

ラストマイル配送(Last Mile Delivery)とは、物流の最終区間、つまり配送拠点や店舗から消費者の手元に届くまでの配送工程を指します。「ラストワンマイル」とも呼ばれ、物流チェーン全体の中で最もコストがかかり、最も非効率になりやすい区間です。

EC(ネット通販)の急拡大により、ラストマイル配送の重要性は飛躍的に高まりました。物流コスト全体の約50%をラストマイルが占めるとされ、この区間の効率化が小売業の収益性を左右します。

「ラストマイル配送」の重要性

配送コストと再配達問題

日本では宅配便の再配達率が約10%前後で推移しています。再配達は追加の人件費と燃料費を発生させるだけでなく、CO2排出量の増加という環境負荷も生みます。国土交通省も再配達削減を重要政策に位置づけており、小売業として無視できない課題です。

顧客体験としての配送品質

消費者にとって「いつ届くか」「届け方の選択肢があるか」は購買判断に直結します。スーパーマーケット(SM)のネットスーパーでは、生鮮食品の鮮度を保ったまま指定時間に届けることが顧客満足の鍵です。ドラッグストア(DgS)では、日用品の定期配送や処方薬の宅配対応が差別化要素になります。コンビニエンスストア(CVS)は店舗受取拠点としての機能を強化し、消費者の利便性向上に寄与しています。

ドライバー不足と2024年問題

トラックドライバーの時間外労働規制強化により、配送キャパシティの確保がますます困難になっています。限られた配送資源をいかに効率的に活用するかが、すべての小売業態に共通する課題です。

「ラストマイル配送」とIT活用

ルート最適化AI

AIが配送先の住所、時間帯指定、交通状況、積載量を総合的に分析し、最も効率的な配送ルートをリアルタイムに算出します。ドライバーの走行距離を短縮し、1台あたりの配送件数を増やす効果があります。ネットスーパーの配送では、注文締め切り後に即座にルートを計算し、ピッキングの順番まで連動させる仕組みが導入されています。

置き配・宅配ボックスとデジタル認証

再配達を減らす手段として、置き配の普及が進んでいます。配送完了時にスマートフォンで撮影した写真を顧客に送信し、受取確認を自動化する仕組みが一般的になりました。スマートロックとの連携で、オートロックマンションへの配送にも対応する事例が増えています。

ダークストアとマイクロフルフィルメント

都市部では、一般客が入店しない配送専用拠点(ダークストア)を設け、注文から30分以内の即時配送(クイックコマース)を実現する動きがあります。既存店舗のバックヤードをマイクロフルフィルメントセンター(小型配送拠点)として活用する手法も、SMやDgSで検討が進んでいます。

配送トラッキングと顧客コミュニケーション

リアルタイムの配送追跡情報を顧客のスマートフォンに通知することで、「いつ届くか分からない」不安を解消します。到着予定時刻の精度向上は在宅率を高め、再配達の削減に直結します。

まとめ

ラストマイル配送は、EC時代の小売業にとって顧客満足と収益性の両方を左右する重要領域です。まずは再配達率の把握と置き配の導入促進から始め、ルート最適化AIの活用やマイクロフルフィルメントの検討へと進めてみてください。配送を「コスト」ではなく「顧客接点」として捉え直すことが、次の成長につながります。


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