この記事の要点|オーストラリアドラッグストアTOP3 はこれだ
オーストラリアの薬局・ドラッグストア市場で、売上規模と店舗数を総合すると上位3ブランドは次の通りです。
- Chemist Warehouse — 小売ネットワーク売上10.3十億AUD、豪州588店、Discount Pharmacyで独走
- Priceline Pharmacy — Wesfarmers Health傘下、薬局419店、非薬局68店、女性向けH&Bに強い
- TerryWhite Chemmart — EBOS Group傘下、626店、コミュニティ薬局・健康サービス型
オーストラリアの「ドラッグストア」は日本に最も近い業態です
オーストラリアの「ドラッグストア」は、海外主要国の中で日本のドラッグストアに最も近い業態です。
日本と同じく、調剤薬局+OTC+H&B(化粧品・健康食品)+日用品+PBを1店舗で完結させる総合業態が主流で、現地ではChemist/Pharmacy/Discount Pharmacyと呼ばれます。
ただし日本との違いは薬剤師オーナー所有規制で、Chemist Warehouseのような大型ディスカウントチェーンも法人直営ではなく、薬剤師オーナーによるフランチャイズ+本部機能の組み合わせで規模化しています。Chemist Warehouseは「Australia’s Cheapest Chemist」の低価格訴求、Pricelineは女性向けH&B、TerryWhite Chemmartはコミュニティ薬局+健康サービスとして棲み分けています。
順位の根拠は、売上規模を主軸に、店舗数と親会社の開示情報を補完した総合評価です。
ただし、2位以下はブランド単体売上を詳細開示していません。
そのため、Wesfarmers Health、EBOS Group、Sigma Healthcareの開示値を用いて比較しています。
2026年6月19日時点のRBA公表レートは、1AUD=113.02円です。
本記事では概算換算として1AUD=約113円を使用します。[1]
オーストラリア薬局 TOP5 ランキング一覧表
| 順位 | ブランド | 直近売上・関連売上 | 店舗数 | 業態特徴 | DX施策 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | Chemist Warehouse / MyChemist | 小売ネットワーク売上10.3十億AUD、約1.16兆円 | 豪州588店、海外86店 | 大型Discount Pharmacy、低価格、PB、強い広告投下 | EC、アプリ、配達、越境EC |
| 2 | Priceline Pharmacy | Wesfarmers Health売上5.933十億AUD、約6,700億円 | 薬局419店、非薬局68店 | 女性向けH&B、コスメ、ロイヤリティ | Sister Club、InstantScripts、OneDigital連携 |
| 3 | TerryWhite Chemmart | EBOS売上12.267十億AUD、TWC単体非開示 | 626店 | コミュニティ薬局、CareClinic、健康相談 | myTWCアプリ、EC、電子棚札、Rewards Plus |
| 4 | Amcal / Amcal+ | Sigma傘下、単体非開示 | DDS等と合わせ約293店 | 伝統的コミュニティ薬局、フランチャイズ | アプリ、会員、処方支援 |
| 5 | Discount Drug Stores | Sigma傘下、単体非開示 | Amcal等と合わせ約293店 | 低価格薬局、地域密着 | Discount Plus、EC、配送 |
| 注:Sigma Healthcareは2025年2月にChemist Warehouse Groupと合併しました。 | |||||
| 合併後のSigmaは、豪州内でChemist Warehouse、Amcal、Discount Drug Storesを含む881店、海外86店を持つ小売薬局グループです。[2] |
オーストラリア薬局市場の概況
市場規模は26.6十億AUD
IBISWorldによると、オーストラリアのPharmacies市場規模は2025年で26.6十億AUDです。
日本円換算では約3.0兆円です。
2025年の成長率は0.8%、2020〜2025年の年平均成長率は0.3%です。[3]
市場成長率は高くありません。
一方で、業態内のシェア移動は大きい構造です。
成長の中心は3つです。
- 低価格大型店への集客集中
- 調剤以外のH&B・ビタミン・コスメ・PB拡大
- 薬局サービス、ワクチン、簡易診療、アプリ処方管理の拡大
PBSが調剤価格を規定する
オーストラリアの薬局市場は、PBS、Pharmaceutical Benefits Schemeの影響を強く受けます。
PBSは政府補助医薬品の制度です。
2026年1月1日から、Medicareカード保有者のPBS医薬品の最大自己負担額は31.60AUDから25AUDに下がりました。
コンセッションカード保有者は7.70AUDで2030年まで据え置かれます。[4]
つまり、処方薬そのものの価格差別化余地は限定的です。
そのため、薬局チェーンはOTC、ビタミン、コスメ、PB、サービス、利便性で差別化します。
薬剤師オーナーシップ規制が大手チェーンの形を決める
オーストラリアでは、薬局所有に強い規制があります。
州・準州ごとに制度差がありますが、基本は「薬剤師または薬剤師が支配する法人が薬局を所有する」仕組みです。
例として、Queensland州のPharmacy Business Ownership Act 2024では、薬局事業ライセンスを申請できる eligible person は、原則として practising pharmacist、または薬剤師が取締役・株主となる法人です。
同州では、薬剤師個人または該当法人が同時に所有・利害関係を持てる薬局数は5店までです。[5]
この規制により、米国のCVSやWalgreensのような完全直営型チェーンは成立しにくい市場です。
大手は「薬剤師オーナーのフランチャイズ」「バナーグループ」「卸・IT・ブランド支援」の形で規模を作ります。
ランキング上位の各社プロフィール
第1位:Chemist Warehouse / MyChemist
Chemist Warehouseは、オーストラリア薬局市場の最大ブランドです。
2025年6月期のChemist Warehouse小売ネットワーク売上は10.3十億AUDです。
日本円では約1.16兆円です。
豪州内のChemist Warehouseフランチャイズ店舗数は588店です。[2:1]
同社の強みは、調剤薬局でありながら量販店型の売場を作った点です。
大型店舗、棚量、低価格、強いチラシ、テレビCM、PB、越境ECを組み合わせています。
低価格大型店モデル
Chemist Warehouseは「Australia’s Cheapest Chemist」を掲げるディスカウント薬局です。
店舗は一般的な地域薬局より大きく、ビタミン、サプリメント、スキンケア、ヘアケア、香水、ベビー用品を大量陳列します。
PBS対象医薬品は制度価格の制約があります。
そのため、粗利と集客の主戦場は前面売場です。
前面売場で価格訴求を強め、調剤・OTC・H&Bをまとめ買いさせる設計です。
PBと独占ブランド
ACCCの審査資料では、Chemist WarehouseがPB・独占ブランドを保有し、フランチャイズ薬局に供給していると説明されています。
例として、Wagner、Bambi Mini、Barely、Bondi Protein Co、Inc、Goatなどが挙げられています。[6]
PBは価格訴求と粗利確保を両立します。
日本のドラッグストアと同じ論点です。
ただし、Chemist Warehouseは「薬局規制下のフランチャイズ」でこれを実行している点が異なります。
中国需要と越境EC
Chemist Warehouseは中国向け越境ECでも強いブランドです。
Tmall Globalには2015年に旗艦店を開設しました。
その後、中国本土のオンライン販路を拡大してきました。
2025年のSigma発表では、中国の実店舗は今後2年で段階的に閉鎖する方針です。
ただし、中国市場は重要であり、オンラインチャネルで継続するとしています。[2:2]
この判断は合理的です。
中国向け需要は、実店舗観光客、代購、Tmall・JD等の越境ECに分散してきました。
コロナ後は訪日・訪豪観光の回復と、現地ECの効率を両にらみする必要があります。
Tourism Research Australiaによると、2025年の豪州国際旅行者数は8.3百万件で、2019年比では5%減まで回復しています。
旅行消費は2019年比25%増です。[7]
観光客需要は戻っています。
しかし、以前のような店舗依存ではなく、ECと実店舗の併用が前提です。
Sigma Healthcareとの合併
2023年12月、Sigma HealthcareとChemist Warehouseは合併実施契約を締結しました。
ACCCは2024年、一定のundertakingを条件に反対しないと発表しました。
2025年2月、Sigma HealthcareはChemist Warehouse Groupとの合併完了を発表しました。[8][6:1]
この合併は、実質的にはChemist WarehouseによるSigmaの逆取得です。
ACCC資料では、合併完了後、Chemist Warehouse株主が上場統合会社の85.75%、Sigma株主が14.25%を保有すると説明されています。[6:2]
合併後の意味は大きいです。
- Chemist Warehouseの小売力
- Sigmaの医薬品卸・物流
- Amcal、Discount Drug Storesのバナー網
- PB・データ・物流の統合
- ASX上場による資本市場アクセス
この5つが一体化しました。

Chemist Warehouse
第2位:Priceline Pharmacy
Priceline Pharmacyは、Wesfarmers Healthの中核ブランドです。
Wesfarmers Healthは、2022年3月にAustralian Pharmaceutical Industries、APIを買収して形成されました。[9]
2025年6月期のWesfarmers Health売上は5.933十億AUDです。
日本円では約6,700億円です。
同部門の税前利益は64百万AUDです。[10]
Wesfarmersの開示によると、Priceline Pharmacyは豪州全体で419のコミュニティ薬局を持ちます。
加えて、非薬局型Priceline店舗を68店運営しています。[9:1]
女性向けH&Bに強い
Pricelineの特徴は、女性向けH&Bです。
コスメ、スキンケア、ヘアケア、ビューティー相談の比重が高いブランドです。
Chemist Warehouseが「価格と量」のモデルなら、Pricelineは「美容・相談・会員」のモデルです。
女性顧客の来店頻度とカテゴリー横断購買を高める設計です。
Sister Club
PricelineのSister Clubは、700万人超の会員を持つヘルス&ビューティーのロイヤリティプログラムです。[9:2]
この会員基盤は、Wesfarmersにとって重要です。
同社はBunnings、Kmart、Officeworks、OnePass、データ・デジタル基盤を持ちます。
今後は、ヘルスケア購買データとグループ横断IDの活用余地があります。
InstantScriptsとデジタルヘルス
Wesfarmers Healthには、Digital Health領域も含まれます。
InstantScriptsは、オンライン処方、医師相談、診断書、検査依頼などを提供するサービスです。[9:3]
薬局のDXは、ECだけではありません。
処方箋、オンライン診療、予約、調剤待ち時間、配送、会員データをつなぐ設計が重要です。
Pricelineは、薬局・美容・デジタルヘルスを組み合わせることで、Chemist Warehouseとは異なる戦い方を取っています。
第3位:TerryWhite Chemmart
TerryWhite Chemmartは、EBOS Group傘下の大手薬局ネットワークです。
2025年時点で626店を展開しています。[11]
店舗数ではPricelineを上回ります。
一方、ブランド単体売上は非開示です。
本ランキングでは、売上開示の透明性と業態上の小売比重を踏まえ、総合3位としました。
EBOS Group全体の2025年売上は12.267十億AUDです。
日本円では約1.39兆円です。
ただし、この数字には医薬品卸、医療機器、動物ケア等が含まれます。
TerryWhite Chemmart単体売上ではありません。[11:1]
コミュニティ薬局モデル
TerryWhite Chemmartは、Chemist Warehouseと異なり、地域密着型の健康相談を前面に出します。
CareClinicを通じて、ワクチン、休職証明、UTI治療、経口避妊薬供給などのサービスを広げています。[11:2]
2025年には、TerryWhite Chemmartネットワークの既存店売上が8.5%増加しました。
同年、34店を追加し、626店まで拡大しています。[11:3]
myTWCアプリと電子棚札
TerryWhite ChemmartはDX投資も進めています。
2025年にはmyTWCアプリ経由の注文が120万件を超えました。
処方管理、店内効率化、患者エンゲージメントを改善しています。[11:4]
また、50店超に電子棚札を導入し、2026年前半にさらに50店へ拡大する計画です。
価格変更作業を減らし、薬剤師と店舗スタッフの接客時間を増やす狙いです。[11:5]
Rewards Plus
Rewards Plusは250万人超の会員を持つロイヤリティプログラムです。
2025年3月にはAsia Pacific Loyalty Awardsで評価されました。[11:6]
TerryWhite Chemmartの強みは、相談・サービス・会員・地域密着の組み合わせです。
低価格一本ではなく、薬局の専門性で差別化するモデルです。
第4位:Amcal / Amcal+
Amcalは、豪州の伝統的な薬局バナーです。
現在はSigma Healthcare傘下です。
2025年のChemist Warehouseとの合併により、AmcalはChemist Warehouse、Discount Drug Storesと同じ上場グループに入りました。
ACCC資料では、SigmaはAmcal+、Discount Drug Storeなどのバナーで約400のコミュニティ薬局にブランド・支援サービスを提供していたと説明されています。[6:3]
2025年6月期のSigma発表では、豪州内のグループ店舗数は881店です。
うちChemist Warehouseが588店です。
差分の約293店が、Amcal、Discount Drug Stores等に相当します。[2:3]
Amcalの役割は、Chemist Warehouseとは異なります。
大型低価格店ではなく、地域薬局、処方、健康相談、既存顧客基盤を支えるブランドです。
合併後は、Amcalの位置づけが変わる可能性があります。
SigmaはChemist Warehouseの低価格・PB・物流ノウハウを持ちました。
一方で、Amcalの薬剤師オーナーとの関係を維持する必要があります。
第5位:Discount Drug Stores
Discount Drug Storesは、Sigma Healthcareのディスカウント薬局ブランドです。
Chemist Warehouseほどの全国的知名度はありませんが、低価格と地域密着を組み合わせます。
2025年には、Canstar Blueの薬局顧客満足度調査でMost Satisfied Customers Award for Pharmaciesを受賞しました。
調査対象は、過去6か月に薬局を利用した3,000人超の豪州生活者です。[12]
DDSの位置づけは明確です。
Chemist Warehouseほど大型ではないが、価格訴求を持つ地域薬局です。
合併後のSigmaグループ内では、Chemist Warehouseとの棲み分けが論点になります。
オーストラリアのドラッグストアDX動向
1. ECとアプリは標準装備
上位各社はEC、アプリ、Click & Collect、配送を標準化しています。
差は、単なるEC売上ではなく、処方管理との接続にあります。
薬局アプリで重要な機能は5つです。
- 処方箋アップロード
- リピート処方管理
- 調剤完了通知
- ワクチン・健康サービス予約
- OTC・H&Bの同時購買
TerryWhite ChemmartのmyTWCアプリは120万件超の注文実績を出しています。
PricelineはSister ClubとDigital Healthを持ちます。
Chemist WarehouseはECと越境ECに強みがあります。
2. テレヘルスと薬局サービスの融合
Wesfarmers HealthのInstantScriptsは、オンライン処方と医師相談を提供します。
TerryWhite ChemmartはCareClinicで、薬剤師の業務範囲拡大に対応しています。
豪州では、薬剤師のscope of practice拡大が進んでいます。
ワクチン、軽疾患対応、処方継続、UTI等のサービスが増えています。
この流れは、日本のドラッグストアにも示唆があります。
調剤報酬だけでなく、軽医療アクセスをどこまで担うかが論点です。
3. PBと低価格のデータ運用
Chemist WarehouseはPBと独占ブランドを持ちます。
Wesfarmersはグループ全体でデータ・AI活用を進めています。
EBOSは薬局、卸、医療機器、データセキュリティを含む業務基盤を整備しています。
PBは単なる安売りではありません。
購買データ、棚割、広告、EC検索、会員施策と一体で設計する必要があります。
4. 物流が競争力になる
Sigmaは合併後、14の配送センターを通じて年間約532百万ユニットを配送しました。
物流コストは1ユニットあたり11%低下したと発表しています。[2:4]
EBOSも2023〜2026年に8つの新物流拠点・システム更新を進め、能力を約20%増やす計画です。[11:7]
薬局DXは、表側のアプリだけでは成立しません。
医薬品卸、温度管理、PBS供給、店舗補充、EC出荷を含むサプライチェーンDXが本丸です。
日本企業への示唆
1. Discount Pharmacyモデルは再現できるが条件がある
Chemist Warehouseのモデルは、日本のドラッグストアにも近い要素があります。
低価格、大型店、H&B、PB、広告、ECです。
ただし、豪州では薬局所有規制があるため、完全直営チェーンではありません。
この制約下で、ブランド、商品、広告、物流、ITを本部が握る構造を作りました。
日本企業が学ぶべき点は、安売りそのものではありません。
制度制約を前提に、どの機能を本部集約するかです。
2. 中国観光客需要は「店舗」から「店舗×越境EC」へ変わった
コロナ前の豪州薬局は、中国人観光客、留学生、代購の需要を取り込みました。
現在は観光回復が進む一方、EC比率も高まっています。
日本のドラッグストアも同じです。
インバウンド売場だけでは不十分です。
帰国後リピート、越境EC、SNS、会員ID、商品レビューまで設計する必要があります。
3. 薬剤師規制下でも規模化はできる
豪州の所有規制は強いです。
それでもChemist Warehouse、Priceline、TerryWhite Chemmartは全国ブランドを作りました。
方法は、直営店拡大ではありません。
薬剤師オーナーを前提に、フランチャイズ、バナー、卸、IT、PB、販促を組み合わせる方法です。
日本でも、地域薬局の連合、共同購買、PB、データ基盤、処方箋送信アプリの統合余地があります。
4. PB×低価格×コスメの三位一体
Chemist WarehouseとPricelineに共通するのは、前面売場の強さです。
処方薬だけでは差別化しにくい市場で、ビタミン、サプリ、コスメ、スキンケアが利益源になります。
日本企業も、調剤併設率の向上だけでは不十分です。
調剤を来店理由にし、H&BとPBで収益化する設計が必要です。
5. 薬局の役割は「薬を渡す場所」から「軽医療アクセス」へ広がる
PBS、60日処方、薬剤師サービス拡大、テレヘルスにより、豪州薬局の役割は広がっています。
TerryWhite ChemmartのCareClinicは象徴的です。
日本でも、地域包括ケア、オンライン服薬指導、在宅、セルフメディケーション、予防接種の議論が進みます。
薬局は店舗小売と医療サービスの中間に位置づけられます。
日本企業の進出状況
現時点で、マツキヨココカラ、ツルハ、ウエルシア等の日本大手ドラッグストアが、豪州で大規模な店舗網を展開している事例は確認できません。
理由は3つです。
- 薬剤師オーナーシップ規制
- 既存大手バナーの強さ
- 医薬品卸・PBS対応・州別制度への適応コスト
進出する場合、単独出店よりも、越境EC、PB卸、コスメブランド供給、現地薬局グループとの提携が現実的です。
よくある質問(FAQ)
Q1. オーストラリア最大のドラッグストアはどこですか?
A. Chemist Warehouseです。2025年6月期の小売ネットワーク売上は10.3十億AUD、約1.16兆円です。豪州内のChemist Warehouse店舗数は588店です。
Q2. オーストラリアの薬局TOP3は?
A. Chemist Warehouse、Priceline Pharmacy、TerryWhite Chemmartです。売上と店舗数を総合した順位です。
Q3. Chemist Warehouseの強みは何ですか?
A. 大型店、徹底低価格、PB、テレビCM・チラシ、EC、越境ECです。調剤薬局でありながら、量販型のH&B小売として集客している点が強みです。
Q4. オーストラリアの薬剤師オーナーシップ規制とは?
A. 薬局所有を薬剤師または薬剤師が支配する法人に限定する規制です。州・準州ごとに制度差があります。Queensland州では、原則として薬剤師等が所有できる薬局数に5店までの上限があります。
Q5. オーストラリアに進出している日本のドラッグストアはありますか?
A. 日本大手ドラッグストアによる豪州での大規模店舗展開は確認できません。規制、現地バナーの強さ、医薬品卸・PBS対応が参入障壁です。
Q6. Sigma HealthcareとChemist Warehouseの合併はどうなりましたか?
A. 2025年2月に合併が完了しました。合併後のSigmaはASX上場企業として、Chemist Warehouse、Amcal、Discount Drug Stores等を含む薬局グループになりました。
Q7. オーストラリアの薬局市場規模は?
A. IBISWorldによると、2025年の市場規模は26.6十億AUDです。日本円換算では約3.0兆円です。
まとめ
オーストラリア薬局市場の本質は、低成長市場の中での業態転換です。
市場全体は2025年で26.6十億AUD、成長率0.8%です。
高成長市場ではありません。
しかし、Chemist Warehouseは10.3十億AUDの小売ネットワーク売上まで伸びました。
勝因は明確です。
- PBSで価格差が出にくい処方薬ではなく、前面売場で差別化した
- 薬剤師所有規制下で、フランチャイズと本部機能を組み合わせた
- PB、広告、物流、EC、越境ECを一体運用した
- 中国需要を店舗とオンラインの両方で取り込んだ
- Sigma合併により、卸・物流・小売ブランドを統合した
日本のドラッグストアにとって、豪州市場は単なる海外事例ではありません。
調剤、H&B、PB、EC、薬局サービス、規制対応をどう全体最適するかという先行事例です。
特に見るべきは、Chemist Warehouseの安売りではありません。
制度制約下で、どの機能を本部に集め、どの機能を薬剤師オーナーに残すかです。
ここに、日本の地域薬局・ドラッグストア再編への示唆があります。
出典
内部リンク
- 関連:アメリカのドラッグストアDX|CVS・Walgreens・Rite Aid TOP3
- 関連:イギリスのドラッグストアDX
- 関連:インドネシアのドラッグストア市場
- 関連:中国ドラッグストア市場最新動向
- 法人向け相談:小売DX合同会社(retaildx.net)
- Reserve Bank of Australia, “Exchange Rates”, 19 Jun 2026. https://www.rba.gov.au/statistics/frequency/exchange-rates.html ↩︎
- Sigma Healthcare, “2025 Annual Results released”, 27 Aug 2025. https://sigmahealthcare.com.au/2025-annual-results-released/ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎
- IBISWorld, “Pharmacies in Australia Market Size Statistics for 2026”. https://www.ibisworld.com/australia/market-size/pharmacies/1878/ ↩︎
- Australian Government Department of Health, Disability and Ageing, “PBS co-payments”. https://www.health.gov.au/cheaper-medicines/pbs-co-payments ↩︎
- Pharmacy Business Ownership Council Queensland, “Owning a pharmacy business”. https://www.pboc.qld.gov.au/licences/owning-a-pharmacy-business ↩︎
- Australian Competition & Consumer Commission, “Sigma and Chemist Warehouse proposed merger not opposed subject to undertaking”. https://www.accc.gov.au/media-release/sigma-and-chemist-warehouse-proposed-merger-not-opposed-subject-to-undertaking ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎
- Tourism Research Australia, “International tourism results — Year ending December 2025”. https://www.tra.gov.au/en/tourism-statistics/international-tourism-results ↩︎
- Sigma Healthcare, “Sigma Healthcare merges with Chemist Warehouse”, 13 Feb 2025. https://sigmahealthcare.com.au/sigma-healthcare-merges-with-chemist-warehouse/ ↩︎
- Wesfarmers, “Wesfarmers Health”. https://www.wesfarmers.com.au/our-businesses/wesfarmers-health ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎
- Wesfarmers, “2025 Annual Report”. https://www.wesfarmers.com.au/docs/default-source/corporate-governance/2025-annual-report-including-appendix-4e.pdf ↩︎
- EBOS Group, “Annual Report 2025”. https://www.ebosgroup.com/wp-content/uploads/2025/08/EBOS_Annual Report_2025_WEB_single.pdf ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎
- Sigma Healthcare, “Discount Drug Stores wins Canstar Blue’s 2025 Award for Customer Satisfaction”, 29 Jul 2025. https://sigmahealthcare.com.au/discount-drug-stores-wins-canstar-blues-2025-award-for-customer-satisfaction/ ↩︎
