「タッチポイント」とは
タッチポイント(Touchpoint、顧客接点)とは、企業やブランドと顧客が接触するあらゆる場面や手段を指す言葉です。店舗での買い物、ECサイトの閲覧、チラシやDMの受け取り、SNSでの情報発信、コールセンターへの電話、アプリの通知など、顧客が企業の情報に触れる瞬間すべてがタッチポイントです。
小売業では、購買前・購買中・購買後の各段階にタッチポイントが存在します。購買前のタッチポイントにはチラシ、Web広告、SNS投稿、口コミなどがあります。購買中は店舗の売場、接客、POP、ECサイトの商品ページなどです。購買後にはレシート、ポイント付与、メルマガ、アフターフォローの連絡などが該当します。
カスタマージャーニー(顧客が商品を認知してから購入・リピートするまでの一連の体験の流れ)を設計する際に、各段階のタッチポイントを洗い出して最適化することが重要です。
「タッチポイント」の重要性
タッチポイントの管理が小売業で重要な理由は、顧客体験(CX)の質を左右するからです。
オムニチャネル化が進む中、顧客はチラシで見た商品をスマホで検索し、ECサイトで在庫を確認してから店舗で購入するといった、複数のタッチポイントを横断する行動を取ります。それぞれのタッチポイントで一貫した情報と体験を提供できなければ、購買意欲が途切れてしまいます。
スーパーマーケット(SM)では、折込チラシ、店頭POP、ネットスーパーのアプリ、レジでのポイントカード提示、レシートのクーポンなど、多数のタッチポイントが日常的に発生しています。これらが連携していれば顧客の利便性は高まりますが、それぞれがバラバラに運用されていると一貫性のない体験を生みます。
ドラッグストア(DgS)では、処方箋の受付、OTC医薬品の相談、ポイントアプリ、LINEでの健康情報配信など、健康をテーマにしたタッチポイントの設計が差別化につながります。
コンビニエンスストア(CVS)は来店頻度が高い業態であるため、毎回の買い物がタッチポイントです。セルフレジの使いやすさ、アプリクーポンの出し方、店内放送の内容まで、あらゆる接点が顧客体験に影響します。
「タッチポイント」とIT活用
DXにより、タッチポイントの種類は増え、管理の高度化が進んでいます。
CRM(顧客関係管理)システムは、複数のタッチポイントで得られた顧客データを統合管理する基盤です。店舗での購買履歴、ECの閲覧履歴、アプリの利用状況、問い合わせ履歴などを一元化することで、顧客ごとに最適なコミュニケーションを設計できます。
MA(マーケティングオートメーション)ツールを活用すれば、タッチポイントごとの施策を自動化できます。ECサイトでカートに商品を入れたまま離脱した顧客にリマインドメールを送る、来店後にポイント付与の通知をアプリで出す、といったシナリオを設定し、人手をかけずに運用します。
SNSやLINEは、購買前後のタッチポイントとして重要度を増しています。新商品の告知、キャンペーンの案内、アンケートの配信など、双方向のコミュニケーションが可能な点が従来の一方向型メディアとの違いです。
タッチポイントの効果測定にはアトリビューション分析(どの接点が購買に貢献したかを評価する手法)が有効です。チラシを見た顧客のうち何%がアプリを開き、何%が来店したかをデータで追跡し、投資対効果の高いタッチポイントに資源を集中させます。
まとめ
タッチポイントは、顧客との接点すべてを指す概念であり、顧客体験の質を決定する要素です。オムニチャネル時代には、オンラインとオフラインのタッチポイントを統合的に管理し、一貫した体験を提供することが求められます。まずは自社のタッチポイントをカスタマージャーニーに沿って棚卸しし、データが取れていない接点を特定するところから始めてみてください。
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