台湾ドラッグストアランキング|店舗数と年商で見る康是美・屈臣氏・寶雅

日薬本舗
目次

この記事の要点|台湾ドラッグストアTOP3

台湾の薬粧店・H&B市場で、店舗数上位の3社は以下です。

  1. Cosmed(康是美) — 600店、統一集団系、7-Eleven連携とOPENPOINTが強み
  2. Watsons Taiwan(屈臣氏) — 580店超、CK Hutchison系、台湾H&Bの老舗最大手級
  3. POYA(寶雅) — 420店、地場の大型店モデル、2024年売上236億NTD

4位には、台湾地場の日系薬粧チェーンである日薬本舗(日藥本舖)が入ります。
日薬本舗は100〜105店規模で、松本清台湾やTomod’s台湾を店舗数で上回ります。

本ランキングは「台湾内の店舗数」を主軸にしています。
理由は、全社横並びで比較できる公開指標が店舗数だからです。
年商は、確認できる企業のみ併記します。
POYAは2024年売上236億NTD、Cosmedは現地報道で年間売上約179億NTD、日薬本舗は約20億NTDとの二次情報があります。
一方、Watsons Taiwan、松本清台湾、Tomod’s台湾は台湾単体売上の公開情報が限定的です。
したがって、本記事は「年商ランキング」ではありません。
店舗数ランキングを軸に、分かる範囲で売上を補足する構成です。
為替は、2026年6月時点で1NTD=約5.1円を目安にしています。

台湾ドラッグストア TOP5 ランキング一覧表

本ランキングは、台湾内の店舗数を基準に作成しています。
売上は開示・報道で確認できる企業のみ併記しています。
各社で売上開示の範囲が異なるため、売上額だけで順位を決めていません。

順位 企業名 親会社・運営母体 店舗数目安 年商・売上情報 円換算目安 業態特徴 DX・会員施策
1 Cosmed(康是美) 統一超商・統一集団 600店 約179億NTD 約913億円 薬粧店、7-Eleven連携、複合店 OPENPOINT、LINE、アプリ
2 Watsons Taiwan(屈臣氏) A.S. Watson Group / CK Hutchison 580店超 台湾単体非開示 非開示 H&B総合、都市部・駅前型 寵i卡、アプリ、LINE、O+O
3 POYA(寶雅) POYA International 420店 236億NTD 約1,204億円 大型店、生活雑貨、美粧、低価格 POYA APP、LINE CRM、EC
4 日薬本舗(日藥本舖) 台湾地場企業 100〜105店 約20億NTDとの二次情報あり 約102億円 日本商品特化、薬粧、観光地・生活圏 自社EC、アプリ、OMO
5 Matsumoto Kiyoshi Taiwan(台灣松本清) マツキヨココカラ系 24店 台湾単体非開示 非開示 日本資本、日系コスメ、商業施設・駅ナカ 国際会員アプリ、LINE、Shopee
補足:Tomod’s Taiwan(三友藥妝)は12店規模のため、TOP5外の注目日系薬粧チェーンとして扱います。
注:店舗数は各社公式サイト、年次報告、台湾現地報道、店舗一覧を基に整理。
注:年商・売上情報は公開資料または現地報道で確認できる範囲のみ記載。
注:1NTD=約5.1円換算。

台湾の薬粧店市場概況

台湾のドラッグストアは、日本の「医薬品販売+調剤+日用品」のドラッグストアとは少し異なります。
台湾では「藥粧店」という表現が一般的です。
主力は以下です。

  • 化粧品
  • スキンケア
  • ヘアケア
  • サプリメント
  • 健康食品
  • コンタクトレンズ
  • 日用品
  • 生活雑貨
    經濟部統計處によると、台湾の「薬品・医療用品・化粧品小売業」は2024年1〜9月に1,543億NTDの売上を記録しました。
    これは同期間の過去最高です。
    同統計では、2023年の売上構成で「個人清潔・化粧保養用品」が47.6%を占め、「薬品・医療用品」の19.5%を大きく上回っています。
    つまり、台湾の薬粧店市場の本質は「医薬品チャネル」ではなく、「美容・健康・生活用品の専門小売」です。
    日本のドラッグストアよりも、韓国のオリーブヤング型H&Bに近い面があります。

市場の成長要因

成長要因は4つです。
1つ目は、美容・スキンケア需要です。
台湾では湿度、紫外線、都市生活による肌悩みに対応する商品が強いです。

2つ目は、サプリ・健康食品需要です。
高齢化と健康意識の上昇により、ビタミン、ルテイン、プロバイオティクス、コラーゲンなどが伸びています。

3つ目は、日本・韓国ブランドの強さです。
日本ブランドは「品質」「安全」「信頼」で支持されます。
韓国ブランドは「トレンド」「価格」「SNS映え」で支持されます。

4つ目は、LINEを軸にした会員接点です。
台湾ではLINE利用率が非常に高く、LINE公式アカウント、LINE Pay、LINEメッセージ配信が小売CRMの標準装備になっています。

台湾ドラッグストアランキングの根拠

本記事のランキングは、台湾内の店舗数を主な基準にしています。
理由は明確です。
台湾の薬粧店各社は、売上開示の範囲が揃っていません。
POYAは上場企業のため年商が確認できます。
Cosmedも現地報道で売上規模が確認できます。
日薬本舗は約20億NTDとの二次情報があります。
一方、Watsons Taiwan、松本清台湾、Tomod’s台湾は、台湾単体売上を継続的に比較できる公開情報が限定的です。
そのため、本記事では「店舗数」を最も比較可能性の高い指標として採用します。
年商は、確認できる企業のみ補足情報として併記します。
現時点で確認できる売上情報は以下です。

企業名 売上情報 円換算目安 補足
POYA(寶雅) 2024年売上236億NTD 約1,204億円 上場企業。大型店モデル
Cosmed(康是美) 年間売上約179億NTD 約913億円 現地報道ベース
日薬本舗(日藥本舖) 約20億NTD 約102億円 二次情報。継続開示ではない
Watsons Taiwan(屈臣氏) 台湾単体非開示 非開示 親会社グループ売上は別指標
Matsumoto Kiyoshi Taiwan 台湾単体非開示 非開示 店舗数は公式一覧で確認
Tomod’s Taiwan 台湾単体非開示 非開示 店舗数は公式一覧で確認
売上だけで順位を付けると、非開示企業を不当に低く評価するリスクがあります。
本記事では、全社比較が可能な店舗数ランキングを採用し、売上は補助指標として扱います。

第1位:Cosmed(康是美)

Cosmed(康是美)は、統一集団の薬粧店チェーンです。
運営母体は統一超商系です。
台湾最大のコンビニチェーン7-Elevenのエコシステムを活用できる点が最大の強みです。
2026年時点の現地報道では、Cosmedは600店に到達しました。
同報道では、Watsonsの店舗数を595店前後とし、Cosmedが店舗数でWatsonsを初めて上回ったと説明しています。
売上面では、現地報道で年間売上約179億NTDとされています。
1NTD=約5.1円換算では、約913億円です。
ただし、Cosmedは上場単体企業として詳細な年商を継続開示しているわけではありません。
そのため、本記事では売上を補助指標とし、ランキングは比較可能な店舗数で判定しています。

7-Elevenとの複合店が強い

Cosmedの強みは、単独の薬粧店ではありません。
7-Eleven、Starbucks、外食、物流、ポイントを束ねる統一グループの生活圏に入っている点です。
統一超商の2024年年次報告では、台湾7-Elevenが7,000店を超え、OPENPOINT会員が1,800万人を突破したと記載されています。
同報告では、統一生活、つまり康是美が「健康・美麗一站滿足」と位置付けられています。
これは日本で言えば、セブン-イレブン、ドラッグストア、ポイント経済圏、EC、物流が同一グループ内で連携する構造です。
生活導線の中で買い物頻度を作れるため、Cosmedは店舗数を伸ばしやすいです。

OPENPOINTが集客装置になる

Cosmedの会員基盤は、OPENPOINTと連動します。
OPENPOINTは7-Elevenを中心とする統一グループのポイント経済圏です。
台湾ではコンビニ利用頻度が高いため、ポイントの接触頻度も高いです。
薬粧店単体のアプリより、生活インフラ型ポイントの方が来店誘導に向きます。

課題は人材と薬剤師

Cosmedは薬局化も進めています。
ただし、薬剤師採用は簡単ではありません。
台湾でも薬剤師は調剤、服薬指導、医薬品販売で専門性が求められます。
大型店化と薬局化を同時に進めるほど、現場の人材負荷は上がります。
店舗数の拡大が売上成長を上回る場合、1店当たり売上やサービス品質が課題になります。

第2位:Watsons Taiwan(屈臣氏)

Watsons Taiwan(屈臣氏)は、A.S. Watson Group傘下のH&Bチェーンです。
親会社はCK Hutchison系です。
台湾では1987年に進出しました。
公式サイトによると、台湾Watsonsは全台で580店超、会員650万人超、取扱商品25,000品目超、月間来店客700万人超です。
台湾単体売上は、継続比較できる形では公開されていません。
A.S. Watson Group全体の売上は公表されていますが、台湾Watsons単体の年商とは異なります。
そのため、本記事ではWatsonsを店舗数ベースで2位としています。
売上非開示を理由に評価を下げるのではなく、比較可能な店舗数をランキング基準にしています。

台湾H&Bの老舗ブランド

Watsonsは台湾の薬粧店市場を長く牽引してきました。
都市部、駅前、商業施設、生活圏に店舗を構え、化粧品、健康食品、パーソナルケア、医薬関連商品を幅広く扱います。
強みは3つです。

  • H&B専門店としてのブランド認知
  • 日本、韓国、欧米、台湾ローカルを含む商品編集力
  • アプリ、EC、店舗受取、LINEを組み合わせたO+O
    Watsonsは台湾で「薬粧店」と聞いて想起される代表的ブランドです。
    Cosmedが店舗数で上回った後も、ブランド認知では依然として大きな存在感があります。

寵i卡とアプリ

Watsons Taiwanの会員プログラムは「寵i卡」です。
アプリでは、会員証、ポイント、クーポン、オンライン購入、店舗受取を提供します。
LINE公式アカウントも運用しています。
台湾の小売DXでは、独自アプリだけでは足りません。
LINE、決済、ポイント、EC、店舗受取を組み合わせる必要があります。
Watsonsはこの標準形を早くから整備してきました。

課題は成長フォーマットの再定義

Watsonsの課題は、店舗数でCosmedに追いつかれた点です。
従来型の都市型H&Bだけでは、成長余地が限られます。
Cosmedは7-Eleven連携で生活圏を押さえます。
POYAは大型店で客単価を取りに行きます。
Watsonsは、専門性、PB、デジタルCRM、美容サービスの再強化が必要です。

Watsons

Watsons

第3位:POYA(寶雅)

POYA(寶雅)は、台湾地場の美粧・生活用品チェーンです。
日本語では「ドラッグストア」と呼ばれがちですが、実態は「H&B+生活雑貨+日用品+服飾雑貨」の大型専門店です。
2024年末時点で、POYAは全台湾420店、2024年売上236億NTDと報じられています。
1NTD=約5.1円換算では、約1,204億円です。
店舗数ランキングではCosmed、Watsonsに次ぐ3位です。
ただし、売上が確認できる企業の中では、POYAの規模感は大きいです。
大型店モデルにより、1店当たり売上と買い回り点数を高めやすい構造です。
本記事では店舗数をランキング基準にしているためPOYAは3位としています。
売上規模だけを見ると、POYAは台湾薬粧・美粧生活用品市場の中核企業です。

大型店モデルが差別化要因

POYAの特徴は大型店です。
WatsonsやCosmedが駅前・街中の小型〜中型店を得意とするのに対し、POYAは広い売場でカテゴリーを深く展開します。
主力カテゴリーは以下です。

  • スキンケア
  • メイクアップ
  • ヘアケア
  • 健康食品
  • 生活雑貨
  • 下着・靴下
  • 文具
  • キッチン用品
  • ペット用品
  • 季節商品
    この構造は、日本のドラッグストアとバラエティストアの中間です。
    単なる薬粧店ではなく、女性を中心とした「生活編集型ストア」です。

POYA Beautyの展開

POYAは近年、POYA Beautyを強化しています。
大型店だけでなく、美容特化型の小型・中型フォーマットも増やしています。
化粧品は粗利率が高いため、生活雑貨だけに依存しない収益構造を作れます。
2025年も積極出店を計画しており、大型店、POYA Beauty、店中店の組み合わせで拡大しています。

PBと低価格の強さ

POYAのもう1つの強みは価格です。
大量陳列、広い売場、PB、販促を組み合わせ、日常的な安さを打ち出します。
日本企業が注目すべき点は、POYAが「薬剤師による医療接点」ではなく、「美容と生活の買い回り」で成長している点です。
台湾では、調剤薬局、薬粧店、生活雑貨店の境界が日本と異なります。

第4位:日薬本舗(日藥本舖)

日薬本舗(日藥本舖)は、台湾地場の日系薬粧チェーンです。
日本資本のチェーンではありませんが、日本製の医薬品、化粧品、健康食品、雑貨、食品を主力に扱い、台湾では「日系薬粧店」として認知されています。
2017年時点では34店を運営していたことが、BEENOSとの業務提携リリースで確認できます。
その後、現地報道では2023年に高雄六合夜市で第100店を開設し、全台105店まで拡大したとされています。
店舗数では、松本清台湾やTomod’s台湾を大きく上回ります。
そのため、本記事の店舗数ランキングでは4位に位置づけます。
年商については、約20億NTDとの二次情報があります。
ただし、上場企業のような継続開示ではないため、本記事では参考値として扱います。

日本商品への特化

日薬本舗の特徴は、日本商品への特化です。
日本旅行で購入される医薬品、サプリ、化粧品、生活雑貨を台湾国内で買える店舗として機能しています。
主な強みは以下です。

  • 日本製品への特化
  • 薬剤師相談を含む店舗運営
  • 観光地、駅前、百貨店、量販店内への出店
  • 自社ECとOMO施策
  • 台湾生活者の訪日購買ニーズの受け皿

日本メーカーにとっての販路価値

日本企業から見ると、日薬本舗は「台湾地場の日系商品編集チェーン」です。
松本清やTomod’sのような日本資本チェーンとは異なりますが、日本メーカーにとっては重要な販路です。
店舗数では松本清・Tomod’sを上回るため、日本商品の台湾向け露出を考えるうえで、無視できない取引先になります。

日薬本舗

日薬本舗

第5位:Matsumoto Kiyoshi Taiwan(台灣松本清)

Matsumoto Kiyoshi Taiwan(台灣松本清)は、日本のマツキヨココカラ系の台湾展開です。
公式店舗一覧では、台北、新北、桃園、新竹、台中、高雄に24店を展開しています。
台湾単体売上は公開情報が限定的です。
そのため、本記事では店舗数を基準に5位としています。

日系コスメの編集力

マツモトキヨシの台湾での強みは、日本コスメのキュレーションです。
日本で売れている商品を台湾生活者に分かりやすく見せられる点が価値です。
台湾では、日本ブランドへの信頼が強いです。
ロート製薬、資生堂、コーセー、カネボウ、花王、ファンケル、DHCなどは認知があります。
マツキヨは、日本旅行で見た商品を台湾で買える場所として機能します。

商業施設型が中心

台湾松本清は、駅ナカ、百貨店、商業施設への出店が多いです。
忠孝敦化、台北駅、CITYLINK、微風、誠品、漢神など、都市部の集客拠点を押さえています。
これは大量出店よりも、ブランド接点を重視する戦略です。
WatsonsやCosmedと真正面から店舗数で競うより、日本商品編集と立地で差別化する方が合理的です。

松本清

松本清

補足:Tomod’s Taiwan(三友藥妝)

Tomod’s Taiwan(三友藥妝)は、日本のTomod’sブランドを台湾で展開する薬粧店です。
台湾公式店舗一覧では、北部、中部、南部、離島を含め12店が確認できます。
店舗数では、日薬本舗、松本清台湾を下回るため、本記事のTOP5からは外します。
ただし、日本式の商品編集、清潔感、商業施設立地に特徴があり、日系薬粧チェーンとして補足すべき存在です。

MRT・商業施設型の小型展開

Tomod’sは、MRT市政府駅、LaLaport南港、CITYLINK内湖、林口三井、新竹Big City、台中三井、台南南紡、澎湖などに出店しています。
観光客と都市生活者の双方に接点を持つ立地です。
店舗数では日薬本舗・松本清に離されます。
ただし、日系薬粧としての安心感、商品編集、観光客対応には存在意義があります。台北の駅近で存在感のあるサツドラも同様の存在です。

差別化の方向性

Tomod’sの差別化は、日本式の清潔感、接客、商品選定です。
台湾ローカル大手と比べて価格や店舗数で勝つのは難しいです。
そのため、以下の方向が望ましいです。

  • 日本コスメの深い品揃え
  • 敏感肌・医薬部外品系商品の訴求
  • 観光客向け免税・多言語対応
  • LINEコミュニティによる固定客化
  • 商業施設内での目的買い需要獲得

Watsons vs Cosmed|二大ブランドの違い

台湾薬粧店市場の中心は、WatsonsとCosmedの競争です。
両社は似ているようで、勝ち筋が異なります。

比較軸 Watsons(屈臣氏) Cosmed(康是美)
資本 CK Hutchison / A.S. Watson 統一集団
台湾展開 1987年進出 統一グループの薬粧チェーン
店舗数 580店超 600店
台湾単体売上 非開示 約179億NTD、現地報道ベース
強み H&B専門性、ブランド認知、商品幅 7-Eleven連携、OPENPOINT、生活圏
会員 寵i卡、アプリ OPENPOINT、uniopen
店舗モデル 都市型H&B 薬粧店、複合店、薬局化
課題 新成長フォーマット 急拡大後の人材・店質
Watsonsは「H&B専門店としての強さ」。
Cosmedは「統一グループの生活圏に入る強さ」。
この違いです。
本記事では店舗数でCosmedを1位、Watsonsを2位としています。
売上比較は、Watsons Taiwanの単体売上が非開示のため、参考情報に留めます。

台湾のドラッグストアDX動向

台湾の薬粧店DXは、アプリ単体ではなく、LINE、ポイント、配送、ECを組み合わせる方向です。

LINE公式アカウント

台湾ではLINEが生活インフラです。
小売企業は、LINE公式アカウントで以下を行います。

  • クーポン配信
  • セール告知
  • 会員証連携
  • セグメント配信
  • チャット相談
  • 店舗別コミュニティ
  • 購買履歴に基づく再来店促進
    日本のドラッグストアでも、LINEミニアプリ、ID連携、購買履歴配信の重要性は高まります。

自社アプリ

Watsons、Cosmed、POYA、日薬本舗、松本清はいずれもアプリを活用しています。
主な機能は、会員証、ポイント、クーポン、EC、店舗受取、決済です。
台湾の特徴は、アプリとLINEを併用する点です。
日本では自社アプリに寄せがちですが、台湾ではLINEが強いため、アプリ単独ではリーチが不足します。

Shopeeと外部モール

台湾ECではShopee(蝦皮)の存在感が大きいです。
松本清はShopee公式直営店での販売も訴求しています。
薬粧店各社にとって、外部モールは新規顧客獲得と在庫消化の場になります。
ただし、外部モール依存は価格競争を招きます。
長期的には、自社アプリ、LINE、店頭会員を連携させ、LTVを高める設計が必要です。

規制|薬剤師、健保、化粧品規制

台湾の薬粧店を見る際は、制度面を押さえる必要があります。

薬剤師と調剤

台湾では、処方と調剤の分業が進んでいます。
地域薬局は、国民健康保険制度の中で処方箋調剤を担います。
ただし、薬粧店すべてが日本型の調剤併設ドラッグストアではありません。
WatsonsやCosmedは薬剤師配置・薬局機能を持つ店舗もありますが、全店が調剤薬局ではありません。
POYAも、主力は美容・生活用品です。

健保制度

台湾は単一支払者型の全民健康保険制度を持ちます。
医療アクセスが良く、薬局は処方箋調剤の受け皿になります。
一方で、薬粧店の収益中心は保険調剤ではなく、美容・健康・日用品です。
この点は日本と異なります。

化粧品規制

台湾では「化粧品衛生安全管理法」に基づき、化粧品の製品登録、表示、PIF、つまり製品情報ファイルなどが求められます。
台湾FDAは、2024年7月1日から日焼け止め、染毛剤、パーマ剤、制汗剤、家庭用歯のホワイトニング製品などでPIF制度を実施すると公表しています。
日本企業が台湾へ化粧品を輸出する場合、現地の輸入業者、責任業者、表示、成分、PIF対応を確認する必要があります。
「日本で売れているから台湾でもそのまま売れる」とは限りません。

インバウンド需要|コロナ後の回復

台湾のインバウンドは回復途上です。
2024年の訪台客数は約785万人とされ、2019年の約1,186万人にはまだ届いていません。
2025年は約857万人まで回復し、日本人訪台客は約148万人と報じられています。
薬粧店にとって、インバウンドは2つの意味があります。

1つ目は、訪台観光客による購買です。
台北駅、西門、忠孝敦化、信義、空港、観光地周辺では、日本人、韓国人、香港人、東南アジア客の需要があります。

2つ目は、台湾人の訪日経験による逆輸入需要です。
台湾人は日本旅行で日本コスメ・医薬品・サプリを購入します。
帰国後に同じ商品を台湾で探すため、日薬本舗、松本清、Tomod’s、Watsons、Cosmedの日本商品棚が受け皿になります。

日本企業への示唆

台湾市場から日本のドラッグストア・メーカーが学ぶべき点は5つです。

1. 薬粧店は「医薬」より「美容・健康・生活」の市場

台湾の薬粧店は、調剤を軸にした業態ではありません。
化粧品、スキンケア、サプリ、日用品が主戦場です。
日本企業が台湾を見る際は、ドラッグストアではなくH&Bリテールとして捉える方が正確です。

2. Cosmed型のコンビニ連携は強い

Cosmedは、7-Eleven、OPENPOINT、統一グループの生活導線を活用します。
これは日本でも示唆があります。
ドラッグストア単独で集客するより、コンビニ、食品スーパー、ポイント、配送と組む方が頻度を作れます。

3. POYA型の大型店は客単価を取れる

POYAは、薬粧だけでなく生活雑貨まで広げます。
カテゴリーを広げることで、目的買いとついで買いを両立します。
日本の郊外ドラッグストアに近い発想ですが、台湾ではより「女性生活雑貨」に寄せています。

4. 日系チェーンは店舗数でなく編集力で勝つ

松本清やTomod’sが、Watsons、Cosmed、POYAと店舗数で競うのは難しいです。
勝ち筋は、日本商品の編集、信頼、体験、観光客導線です。
台湾地場の日薬本舗は、日本資本チェーンを上回る店舗網を持っており、日本メーカーにとって重要な販路です。
日本ブランドの台湾露出を考える際は、日本資本チェーンだけでなく、日薬本舗のような地場の日系商品編集チェーンも視野に入れる必要があります。

5. LINE CRMは必須

台湾小売でLINEを使わない選択肢はほぼありません。
LINE公式アカウント、自社アプリ、会員ID、購買履歴、クーポンを統合することが望ましいです。
日本でも、アプリの休眠率が課題です。
LINEを再来店導線として使い、アプリを会員証・購買履歴・決済に使う二層構造は参考になります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 台湾最大のドラッグストアはどこですか?

A. 店舗数ではCosmed(康是美)が600店に到達し、首位と見られます。従来はWatsons(屈臣氏)が最大手級とされてきましたが、最新報道ではCosmedが店舗数で上回っています。

Q2. 台湾のドラッグストアTOP3は?

A. 店舗数ベースでは、Cosmed(康是美)、Watsons(屈臣氏)、POYA(寶雅)の3社です。

Q3. 屈臣氏と康是美の違いは?

A. 屈臣氏はH&B専門店としてのブランド認知と商品幅が強みです。康是美は統一集団系で、7-Eleven、OPENPOINT、複合店との連携が強みです。

Q4. POYA(寶雅)の特徴は何ですか?

A. 大型店モデルです。化粧品、日用品、生活雑貨、服飾雑貨を広い売場で展開し、ワンストップ買物と低価格を訴求します。

Q5. 台湾に進出している日本のドラッグストアは?

A. Matsumoto Kiyoshi Taiwan(台灣松本清)とTomod’s Taiwan(三友藥妝)が展開しています。松本清は24店、Tomod’sは12店が公式店舗一覧で確認できます。

Q6. 台湾の薬粧店市場規模は?

A. 經濟部統計處によると、2024年1〜9月の「薬品・医療用品・化粧品小売業」売上は1,543億NTDです。通年換算では2,000億NTD超の市場と見られます。

Q7. 台湾で日本コスメは人気ですか?

A. 人気があります。日本ブランドは品質、安全性、信頼のイメージが強く、松本清やTomod’sだけでなく、Watsons、Cosmed、POYAでも重要カテゴリーです。

Q8. このランキングは売上順ですか?

A. いいえ。台湾内の店舗数を基準にしたランキングです。理由は、全社で横比較できる公開指標が店舗数だからです。売上は、POYAやCosmedなど確認できる企業のみ補足しています。

Q9. 年商が分かる台湾ドラッグストアはどこですか?

A. POYAは2024年売上236億NTD、Cosmedは現地報道で年間売上約179億NTD、日薬本舗は約20億NTDとの二次情報があります。Watsons Taiwan、松本清台湾、Tomod’s台湾は台湾単体売上の公開情報が限定的です。

Q10. 売上規模ではPOYAが上位ではないですか?

A. 確認できる売上ではPOYAの236億NTDは大きいです。ただし、Watsons Taiwanなど売上非開示企業があるため、売上だけで全社順位を作ると比較の公平性を欠きます。そのため、本記事では店舗数ランキングを採用しています。

Q11. 日薬本舗(日藥本舖)は台湾ドラッグストアランキングに入りますか?

A. 入ります。日薬本舗は100〜105店規模で、松本清台湾やTomod’s台湾より店舗数が多いため、本記事では4位に位置づけます。

Q12. 日薬本舗は日本企業ですか?

A. いいえ。日薬本舗は台湾地場企業です。ただし、日本製の医薬品、化粧品、健康食品、雑貨を主力に扱うため、台湾では日系薬粧店として認知されています。

Q13. 日薬本舗の年商は分かりますか?

A. 約20億NTDとの二次情報があります。ただし、上場企業のような継続開示ではないため、本記事では参考値として扱います。

まとめ

台湾のドラッグストア市場は、単純な医薬品小売ではありません。
実態は、美容、健康、生活用品を扱うH&B市場です。
最新の店舗数では、Cosmed(康是美)が600店で首位です。
Watsons(屈臣氏)は580店超で、台湾H&Bの老舗最大手級です。
POYA(寶雅)は420店、売上236億NTDの大型店モデルで、独自の成長軸を持ちます。
日薬本舗(日藥本舖)は100〜105店で、台湾地場の日系薬粧チェーンとして4位に入ります。
Matsumoto Kiyoshi Taiwanは24店で、日本資本の日系チェーンを代表します。
なお、本記事の順位は年商順ではありません。
台湾単体売上を開示していない企業があるため、比較可能性の高い店舗数を基準にしています。
そのうえで、POYA、Cosmed、日薬本舗など年商が確認できる企業については、売上規模も併記しました。
競争の本質は、3つです。

  • Cosmed:統一グループの生活圏
  • Watsons:H&B専門店のブランドと商品力
  • POYA:大型店による客単価と生活雑貨拡張
    日本企業への示唆は明確です。
    台湾では、店舗数だけでなく、LINE CRM、ポイント経済圏、商品編集、大型店フォーマットが勝敗を分けます。
    そして、日本ブランドの台湾露出を考える際は、松本清・Tomod’sといった日本資本チェーンだけでなく、日薬本舗のような台湾地場の日系商品編集チェーンも重要な販路です。
    日本コスメ・サプリへの需要は強いものの、現地規制、現地語表示、PIF対応、LINE導線を整えないと継続購買にはつながりません。
    台湾市場は、日本のドラッグストア企業にとって、アジアH&B市場を理解する好材料です。
    特に、Cosmedのコンビニ連携、POYAの大型店、日薬本舗の日本商品編集チェーン、日系資本チェーンの編集型出店は、今後のアジア小売戦略を考えるうえで重要です。

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