「中間流通」とは
中間流通(Intermediary Distribution)とは、メーカー(製造業者)と小売業の間に位置し、商品の仕入れ・保管・配送・代金決済などの機能を担う流通段階です。卸売業がその中心的な担い手であり、日本では古くから問屋と呼ばれてきました。
日本の流通構造は「多段階流通」と言われ、メーカー→一次卸→二次卸→小売のように複数の中間業者を経由することが特徴です。食品、日用品、医薬品などの分野では今も中間流通が重要な役割を果たしています。一方で「中抜き」と呼ばれるメーカーから小売への直接取引や、ECによるD2C(Direct to Consumer)の台頭により、中間流通のあり方は大きく変わりつつあります。
「中間流通」の重要性
小口・多頻度配送の実現
中間流通の最大の存在意義は、多数のメーカーの商品を集約し、小売店舗へ小口・多頻度で届ける物流機能です。スーパーマーケット(SM)が扱う商品は数万SKU(品目数)に及びますが、各メーカーから個別に仕入れていては受け入れ作業が膨大になります。卸売業が集約・配送することで、小売の物流負荷が軽減されます。
情報と金融の仲介機能
中間流通は物流だけでなく、市場情報の伝達(メーカーの新商品情報を小売に、小売の売れ筋情報をメーカーに)や、代金回収・与信管理といった金融機能も担います。特に中小の小売企業にとっては、卸売業の与信機能がなければ多数のメーカーと直接取引することは困難です。
業態別の中間流通構造
ドラッグストア(DgS)の医薬品流通では、医薬品卸(メディパルホールディングス、アルフレッサ等)が厳格な品質管理と温度管理のもとで配送を担います。食品分野では、国分グループ、三菱食品、日本アクセスなどの大手食品卸がサプライチェーンの中核を担っています。CVSでは、本部が一括して中間流通を管理する仕組みが確立されています。
「中間流通」とIT活用
EDIとデータ連携の高度化
メーカー・卸・小売間の受発注はEDI(電子データ交換)で行われていますが、データフォーマットの標準化は十分とは言えません。流通BMS(流通ビジネスメッセージ標準)の普及により、受発注・出荷・請求のデータ連携を効率化する取り組みが進んでいます。
在庫の可視化とサプライチェーン最適化
中間流通の在庫情報をリアルタイムで共有することで、小売の欠品防止とメーカーの需要予測精度が向上します。卸売業の倉庫管理システム(WMS)と小売のPOSデータを連携させ、自動補充を実現する仕組みも広がっています。
D2CやEC直販による中間流通の再定義
ECの発展により、メーカーが消費者に直接販売するD2Cモデルが拡大しています。ただし、D2Cでもラストマイル配送や返品対応には物流機能が必要であり、中間流通がなくなるわけではありません。卸売業はフルフィルメント(受注から配送までの一括代行)やデータ分析サービスなど、付加価値型の中間流通へと進化しつつあります。
まとめ
中間流通は、小売業のサプライチェーンを裏側で支える不可欠な存在です。D2CやECの拡大で構造は変化していますが、物流集約・情報仲介・金融機能という中間流通の本質的な価値は失われていません。自社の仕入れ構造を見直し、卸売業とのデータ連携を強化することが、サプライチェーン全体の効率化につながります。
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